5月31日はWorld No Tobacco Day 世界禁煙デー
禁煙は、最大の予防効果を発揮する真っ先に取り入れるべきライフスタイル。
吸っているひとも、吸わないひとも、すべてを蝕むタバコ(加熱式タバコを含む)。
1988年、WHO世界保健機関は、多くの症例や科学検証データを基に世界中のすべての人々の健康を願い、卒煙(加熱式も含む)をサポートする目的で5月31日を世界禁煙デーとして制定しました。
日本では、厚生労働省が主管となり、世界禁煙デーを皮切りに1週間を禁煙週間として、各自治体・企業・団体などが禁煙サポートプログラムを毎年開催しています。
世界の官公庁・公的機関・企業・地域住民が一丸となって取り組む禁煙へのサポート。
タバコは、私たち女性の健康にどのような影響を与えているのでしょうか。
日本を含む経済先進7か国では、どのくらいのひとたちがタバコを使用しているのでしょうか。
日本では、男性が吸っているイメージが強いタバコ。喫煙者の男女比に国による違いはあるのでしょうか。
タバコと私たちを取り巻く環境について、一緒に考えてみましょう!
目次
2. 受動喫煙と吸わない人の健康
3. 美容とタバコの不都合な関係
4. 喫煙者のウェルエージング
5. まとめ
1. G7脱タバコ男女別総合順位
健康に対するリスクが研究結果で明らかにされているからこそ、WHOも厚生労働省も企業や自治体を巻き込んで開催する世界禁煙デー。
各国が取り組んだ成果をランキング形式で見てみましょう。
経済協力開発機構OECDで取りまとめたデータを基に、G7主要7か国比較喫煙率ランキングを発表します!
※調査年度はドイツのみ2017年度、その他は2018年度のデータ。
【G7喫煙率優良ランキング】
順位 | 国名 | 喫煙率 (%) |
1 | アメリカ | 10.3 |
2 | カナダ | 11.3 |
3 | イギリス | 16.6 |
4 | 日本 | 17.8 |
5 | ドイツ | 18.8 |
6 | イタリア | 19.2 |
7 | フランス | 25.4 |
日本は4位!
「“真ん中”というポジションはお国柄…?」「でも、善戦している?悪くはないかも?」「とりあえずは、長寿国健康ニッポン!のイメージを堅持!」
TOP2は北米が奪取。
米国は、健康格差として取り沙汰されてもいますが、当国の医療保険制度により個々人が健康を守るスタイルが確立されていること、カナダは保健省によるタバコ規制が厳格であることが良いポジションを占めている要因ではないかと考えられます。
EU加盟国は劣勢。
かつて、フランス映画では “ファッションの一部” であるかのように用いられていたタバコ。
フランスも最下位を脱出すべく(?)、2007年2月1日より教育機関に於ける全面禁煙、2025年7月1日からは、電子タバコは適用外とするものの、子どもがいる場所では全面禁煙とするなど、大人の身勝手な振る舞いによるタバコの有害性からから子ども達を保護する施策が活発に展開されており、国民の半数以上が施策に賛同しています。
議論の多い国であり、団結に時間を要することもしばしばのお国柄ですが、一度決まると展開が早いことも特徴の1つ。
フランスに於ける喫煙率は激減しており、最下位から一気に最優良国に変貌を遂げる可能性が示唆されます。
すべての国で、概ね経年的に、喫煙率は低下傾向。
続いて、日本人女性は何位?
【G7喫煙率優良ランキング女性編】
順位 | 国名 | 喫煙率 (%) |
1 | 日本 | 8.1 |
2 | アメリカ | 9.1 |
3 | カナダ | 9.7 |
4 | イタリア | 15.1 |
5 | ドイツ | 15.3 |
6 | イギリス | 16.2 |
7 | フランス | 22.9 |
日本人女性は栄光の第1位!でも、全体ランキングでは4位??
最下位のフランスでは、男女平等の認識やフェミニズム運動がより盛んであるという背景もあり、男性と同等に喫煙する権利も主張する帰来があるのかもしれません。
最後に、男性の喫煙率ランキングを見てみましょう。
【G7喫煙率優良ランキング男性編】
順位 | 国名 | 喫煙率(%) |
1 | アメリカ | 11.5 |
2 | カナダ | 12.8 |
3 | イギリス | 17 |
4 | ドイツ | 22.3 |
5 | イタリア | 23.5 |
6 | フランス | 28.2 |
7 | 日本 | 29 |
フランスがやっと最下位から脱出!一方で、最下位は、なんと日本人男性...。
長寿国健康ニッポン!のブランディングと悪影響を及ぼす子どもたちの健康を守るためにも、女性たちと共に上位ランクインを目指して歩んで欲しいですね。
2. 受動喫煙と吸わない人の健康
脱喫煙・優良ランキングでは、栄えある1位を獲得した、日本人女性。
でも、タバコは、吸っている本人だけではなく、知らずに、周りのひとにもリスクを与えてしまうことも大きな問題。
そして、現在、喫煙中の方々には、肩身が狭く、気の重くなるような思いをさせてしまっていることも考えると心苦しい気持ちもあるのですが、経年的な研究調査の結果、科学的に判明している事実をお伝えします。
タバコに含まれるニコチンやホルムアルデヒド等の発がん性物質70種類以上と化学物質5,300種類以上が、タバコを吸わない周りのひとにも与える健康リスクを、セカンドハンドスモーク(Second-hand smoke)、日本語では受動喫煙(passive smoking)と呼びます。喫煙者のタバコや息から吐き出されている化学物質により被るダメージを表す言葉。
更には、同じ受動喫煙で、サードハンドスモーク(Third-hand smoke)と呼ばれる、第3の刺客の存在も。
タバコを吸った後の匂いが、髪の毛や、カーテン、タオル、車内などに残っていて「嫌だな…」と思ったことはありませんか?実はこれ、有害化学物質の残り香です。
3. 美容とタバコの不都合な関係
《ビタミンCを無駄に消費》
コラーゲンの生成と維持に不可欠なビタミンC。ビタミンCは、生まれ変わろうとする肌本来の働きをサポートする女性の美容には欠かせない栄養素。ビタミンEと共に抗酸化の役割も担っています。喫煙者と周りにいるひとの体内では、有害物質を解毒するために、多くのビタミンCが動員されます。併せて、小腸でのビタミンCの吸収率も低下。ビタミンCの燃費が悪くなっています。
《エストロゲンの働きを阻害》
女性ホルモンであるエストロゲン本来の働きを阻害するため、月経サイクルや出血量に影響を与えます。卵巣機能への悪影響から、メノポーズ症状や閉経の訪れを早める等の指摘も。更には、骨のエージングも早め、骨粗鬆症のリスクが上昇します。
《子宮頸がん発症リスク上昇》
子宮頸がんの主な原因となるHPVヒトパピローマウイルス。ウィルスへの感染と、がんへ進展するリスクが高まることが明らかになっています。
4. 喫煙者のウェルエージング
最強のウェルエージング法は、タバコとお別れすること。
タバコを吸うことは、健康と美容の大敵とわかってはいるけど、なかなか踏み切れず、一旦止めてみても、また戻ってしまう。
タバコに含まれるニコチンは、依存性物質。
「分かっているけど、止められない」
ヘロインやコカインよりも高い依存性があるため、一度吸い始めると、なかなか自分の意志だけで止めることは困難な場合が多いのが現実です。
喫煙は、「ニコチン依存症」という病名で、治療の対象。
妊活やメノポーズ対策として禁煙外来を活用するのも一案。
自分でチャレンジしてみたい方におススメなのは、現状の振り返り。
「なぜ止めたい?」
「いつ、どこで、どういった場面で吸いたくなる?」
「なぜ、タバコが必要?」
次に、卒煙日を設定し、タバコは捨てるなど環境を整える準備を始めましょう。
そして、卒煙後には、魔の「3」の日がやってくることを覚悟。
3日後、3週間後、3か月後。乗り切った1日1日を褒めつつ、魔の3を乗り越えた時には、新しい花を飾る、ちょっとリッチなランチ、新しい服を買うなど、タバコに使っていたお金で自分にご褒美!
自分でチャレンジしてみたけど、独りでは難しい、でも禁煙外来に3か月間通うのは、時間的にもハードルが高い。そんなあなたには、市販のサポートアイテム、ニコチンパッチがおススメです。
「今は止めない。何があっても止めない。でも、キレイでいたい」あなたは、ビタミンCを意識して多く摂る必要があります。
目安は、非喫煙者の1.5倍量の150mg以上。食材で例えるなら、赤ピーマン1/2個95mg、キウイフルーツ1個64mg。野菜、果物に多く含まれます。果物の摂り過ぎは、血糖値の上昇につながるため、野菜を多めに摂ることがポイント!
留意点は、通常の食事からではなく、サプリやジュースで補給した場合、排泄までの時間が短縮され、カラダでの利用効率はあまり高くないこと。
スモーカーなら、野菜、果物からしっかりビタミンCを摂りたい!
そして、エクササイズも大切です。
ヨガは、心身のリフレッシュ、卒煙に向かうキモチをサポートするエクササイズとして有効であると、米国立補完代替医療センターもお墨付き!
あなたはどのウェルエイジング法を選択しますか?
5. まとめ
喫煙を始めなければ遭遇しなかったストレスとタイムロス。そして、喫煙と因果関係が強い疾病の数々。
タバコは、あなたやパートナー、ご家族にとって、本当に必要なアイテムでしょうか?
辛い時、悲しい時、不安な時、ただ、手持ち無沙汰な時、何かを忘れたくって、何かを埋め合わせたくって。気が付いたら、そこにタバコがあって、手が伸びていた。
ある意味、いつでも寄り添ってくれる存在がタバコかもしれません。
でも、一見、優しそうに見えて、実際には、心身の自由を奪い去っていく存在です。
依存的関係から始まった、脳機能による認知の歪み。
辛い状況から一時的でも救ってくれる「タバコ」を救いと見なし、喫煙環境を阻害するヒトやモノ・政策は敵である悪と見なし、攻撃的態度を示すなど、当事者本人も想定していなかった敵対関係を生み出してしまいます。
喫煙を続けたその先にあるものが漠然として見えにくいから、アラームを鳴らしても、なかなか踏み出せません。
そんな時、あなたの一声が、一番大きな影響力を持っています。「タバコは、本人の自由」と優しく見守っていたことが、実は、パートナーもあなたの美と健康もこどもの健康も奪っていたとしたら?
多くの医療データとCOVID-19、ライフスタイルを見てきたからこそ実感する、タバコの静かな威力。
囚われのループから抜け出せるライフスタイルにシフトチェンジしてウェルビーイングに過ごしませんか?
Veni Sancte Spiritus
Pacem in Terris