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【和美人の嗜み】インナービューティーを叶えるお茶の習慣と効能

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【和美人の嗜み】インナービューティーを叶えるお茶の習慣と効能

「お茶」と言えば、わたしたち日本人がとっさに思い浮かべるのは「緑茶」。いわゆる日本茶です。

一方で、欧米人、特に、イギリス人が「Tea」と言えば、わたしたちが考える「紅茶」を頭に思い浮かべます。

各国の人びとが指し示す「茶=Tea」という単語は、その国で「最も飲まれているお茶は何か?」を表していることに気づかされます。

緑茶も紅茶もルーツを辿れば同じ親戚関係。

各国で主流となったお茶の背景には、食文化や風土、嗜好性など、歴史と多様性が見え隠れし、興味は増すばかり。

わたしたちが日常的に頂く「緑茶」を中心に、お茶の全容と美活に役立つ効能、美味しく頂くポイントを見ていきましょう。

目次

1. 茶の起源と多様性
1.1 国際お茶の日
1.2 お茶とSDGs
2. 出自は一緒!世界3大茶
2.1 違いを生み出す製造過程
2.2 茶の風味を形成する3つの成分
3. 緑茶と美容の関係
3.1 緑茶の国内産地
3.2 飲む美活!メリット4選
4. 緑茶を嗜む
5. まとめ

1. 茶の起源と多様性
緑茶も紅茶もウーロン茶も、みんな起源は一緒の「チャ」。

チャは、数十年以上の寿命を有する常緑樹で、学名はカメリア・シネンシス(Camellia sinensis)。

ラテン語表記の学名でよく目にするシネンシス(sinensis)は「中国の」という意味を持ち、その名の通り、茶の樹のルーツは中国雲南省。その起源は、5000年以上も前まで遡ります。

植物としての属性は、ツバキ科カメリア属。確かに、茶葉に椿の面影が見られますね。

チャの樹には、実に多くの種類が存在すると言われていますが、お茶として、世界中で日常的に飲用されているのは、中国種とアッサム種の2種類。

3~5cmほどの小振りの葉を持つ中国種は寒冷地でも比較的強くたくましく育ちます。一方のアッサム種は、温暖な気候を好み、そのおおらかな環境で育った茶葉は、大きさも中国種の3倍!

中国種はうまみ成分のアミノ酸含有量が多くカテキンは少なめ、アッサム種はその逆。生育環境の違いは、配合成分の割合にも反映されています。

更に、ひとの手が加わることで、チャが持つ植物としての多様性に磨きがかかり、色合いや風味の違いをもたらします。
 
1.1 国際お茶の日
毎年5月21日は国際お茶の日(International Tea Day)!

世界中で栽培され、愛飲されているお茶の栽培に関わる伝統文化と経済環境を守ることを目的として、2019年12月19日に国連によって制定されました。

当日は、健康とwell-beingに寄与し、より豊かなライフスタイルをサポートする嗜好品として啓発活動が繰り広げられます。
 
1.2 お茶とSDGs
お茶の栽培と製造および販売過程において、以下4つのSDGsゴールの達成に寄与します。

Goal 1 : 貧困の撲滅
Goal 2 : 飢餓の撲滅
Goal 5 : 女性のエンパワーメント
Goal 15 : 生態系保全
 

2. 出自は一緒!世界3大茶

2.1 違いを生み出す製造過程
緑茶・紅茶・ウーロン茶。色合いも、風味も全く別物に感じます。

同じルーツを持つのに、なぜ違いが出るのでしょうか?この違いを決定づけるのは、製造過程。

その製造過程を示す「発酵」と呼ばれる分類に違いが生まれる理由が隠されています。

茶名 製造過程による発酵分類
緑茶 非発酵
紅茶 発酵
ウーロン茶 半発酵

ここで注意したいのは、お茶界の「発酵」の定義。

本来の発酵は、有機物に微生物が作用する過程を表し、その結果、栄養源として食べられるになった食品を発酵食品と呼びます。代表的な食品は、味噌、納豆、ヨーグルトなど。

食べられない状態や過程は、発酵ではなく、カビなどの繁殖により腐った状態の「腐敗」。

お茶は、製造過程をもとに、「非発酵茶」「半発酵茶」「発酵茶」「後発酵茶」に分類されます。この分類で本来の「発酵」の意味合いを持つのは、プーアル茶などの「後発酵茶」のみ。

お茶界に於ける「発酵」の大きな要素は、茶葉を摘んだ後に以下の製造過程を経ているか否か。

「茶葉を寝かせる(放置して萎れさせる:萎凋)」

非発酵に分類される緑茶は、茶葉を寝かせる過程をスキップし、蒸すなど加熱処理を行います。この作業が緑色の色素を保つ所以。

産地や遮光などの生育方法によって、風味や色合いに違いが醸し出され、玉露やメイ・ジューンダージリンティーなど多様なブランドティーが誕生します。
 
2.2 茶の風味を形成する3つの機能性成分
1)カテキン
ポリフェノール・フラボノイド類に分類されるお茶の代名詞カテキン。紅茶やウーロン茶と比較すると、緑茶に最も多く含まれます。嬉しい抗酸化力を兼ね備えた苦味成分。

2) テアニン
アミノ酸の一種でうまみ成分。高級茶ほどテアニンの含有量が増す傾向が見られます。一般的な煎茶より玉露や抹茶に多く含まれ、リラクゼーション効果にも期待。

3) カフェイン
苦味として感じる成分。熱湯を注ぐことでより多く抽出されます。コーヒーと同様に覚醒作用や利尿作用があるため、飲む時間帯や夏季の多飲には注意が必要です。

 
3. 緑茶と美容の関係

3.1 緑茶の国内産地
平均気温は約13℃以上、酸性の土壌を好む緑茶。鹿児島の知覧茶や福岡の八女茶もよく目にしますが、日本三大茶といえば、静岡茶・宇治茶・狭山茶。

現在の主力品種「やぶきた」は静岡産から株分けされて全国へ広まりました。
 
3.2 飲む美活!メリット4選
美味しいだけではない!心身共に嬉しい効果を味わえる飲む美活・メリット4選をご紹介します。

1) 製造過程で酸化を伴う紅茶やウーロン茶よりも美の救世主ビタミンCが豊富

2) 抗酸化力が高いビタミンEも豊富

3) カテキンで血管のエイジングケア!
アレルギー症状の緩和、口臭予防としても効果を発揮

4) GABA(γ-アミノ酪酸)でリラクゼーションや血圧を安定させる効果

4選以外にもまだまだある緑茶を飲むメリット。美活に嬉しい優れた抗酸化力は、ココロもカラダも美しく整えてくれます。
 

4. 緑茶を嗜む
品種・産地選びもさることながら、日常生活でよく口にする美味しく煎茶を頂く3つのポイントをご紹介します。

《水の硬度》
科学データが示す、うま味や渋みを上手に引き出してくれるお水は意外にも超硬水(約300mg/L程度)。様々な品種を様々な硬度のお水で飲み比べしてみるのも面白いですね。

《温度》
うま味を重視して飲みたい時は、沸騰直前、または、沸騰後に冷まし時間を設け70℃程度に湯温を調整。渋みを味わいたい時は、沸騰直後のお湯を注ぎます。

《淹れ方》
お茶碗をお湯で温めながら茶葉にもお湯を注ぎます。お好みによりますが、茶葉は小さじ3杯程度で3~4人分。うま味を重視したい時、カフェイン量を減らしたい時には、温めのお湯、または、水出しにします。

水出しの場合は、深蒸し煎茶のほうが、茶葉が柔らかく、成分の抽出が容易なので使いやすいでしょう。また、産地は、埼玉県の狭山茶がおすすめ。水出しでも本来の風味を引き出し美味しくいただけます。

お水を注いで2時間程度冷蔵庫で冷やしてお召し上がりください。

 
5. まとめ
実に奥深いお茶の世界。緑鮮やかな癒しの味わい緑茶。風格と香り漂う紅茶。芳醇で機能的なウーロン茶。品種、産地、抽出するお水の種類、淹れ方でも変容する風味。

いつもと同じ煎茶でも、用いるお水、湯温、淹れ方を変えてみるだけで、その日の気分や仕事・家事の進め方、食事内容に合わせて自由自在に変化をつけることが可能です。

ご自宅にあるお茶と五感をフルに使って、お茶の習慣も取り入れてみませんか?
 

【参考図書・URL】

「お茶の科学」大森正司 著

「茶の機能と科学」森田明雄 他編

the United Nations
https://www.un.org/en/observances/tea-day

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