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海外渡航でも国内でも要注意!世界中で流行する麻疹の動向

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海外渡航でも国内でも要注意!世界中で流行する麻疹の動向

2019年12月、中国の揚子江中流域に位置する湖北省武漢市で発生した新型コロナウィルス。

中国の一地方で発生した感染症は、新年を迎えた世界各地へ瞬く間に広がり、社会生活と身体を蝕む脅威と共に、世界は高速で移動が可能な交通手段によって繋がっているという事実を私たちに知らしめました。

過去の病気と思われていた感染症である麻疹も周期的に発生し、再燃が繰り返されています。

昨年から、世界的な広がりを見せつつある麻疹。

その感染力は、新型コロナウィルスより強く、通常のマスク着用による防衛策は功を奏さない強者でもあります。

有効な予防手段が確立されている麻疹という感染症をいかに防ぐことが可能か、最新情報も含め見ていきましょう。

目次


1. 麻疹とはどのような病気?
1.1 麻疹とは?
1.2 日を追うごとに変化する症状
1.3 予防と治療
2. 世界で流行中!麻疹マップ
2.1 流行地域
2.2 渡航前後は要注意!
3. EUで流行する麻疹の動向
3.1 フランスの麻疹発生動向
3.2 発生要因
3.3 予防対策
4. 日本の麻疹発生動向
4.1 過去の発生動向
4.2 現在の発生動向
5. まとめ

 
 
1. 麻疹とはどのような病気?

1.1 麻疹とは?
「はしか」の別称を持つ麻疹(ましん)は、麻疹ウィルスによる急性発疹性感染症です。

麻疹に罹患した患者さんの気道分泌液中に含まれる麻疹ウィルスによって、ヒトからヒトへ感染します。

感染経路は、空気感染(飛沫核感染)、飛沫感染、接触感染と幅広く、感染力は極めて高い強者。新型コロナウィルスや季節性インフルエンザとの違いは、感染力が非常に強く「空気感染」でうつることです。

飛沫感染では、1m以上(最大2m)の飛距離を生じず降下する特性を有するため、直接、対話者の口腔内に感染源が移ることは稀。

新型コロナウィルス感染症の感染経路は、飛沫感染と接触感染が主体であり、ソーシャルディスタンスが声高らかに叫ばれていたのはこのためです。

一方、麻疹ウィルスのように、空気感染を成立させ得る病原体とは、直径5μm未満の極小粒子であり、長期間空中を浮遊することが可能という特徴を持っています。

新型コロナウィルス感染症やインフルエンザで用いた通常のマスクでは対処できないのもこの形状が原因です。
 
1.2 日を追うごとに変化する症状
麻疹ウィルスに対する免疫を持たない人が麻疹ウィルスに晒された場合、凡そ9日から14日の潜伏期間を経て麻疹を発症します。

発症後の初期症状では、発熱、咳、結膜充血など風邪のような症状が見られ、発熱3日目以降から、口腔内の頬付近にコプリック斑と呼ばれる麻疹に特徴的な白い丘疹が出現します。

この症状は4日間程度続き、一旦発熱が治まったと思われた後に、38℃以上の高熱と発疹が顔面から体幹、四肢へと全身に向かって現れ始めます。発疹は4日間程度続き解熱へ向かうというように、日を追うごとに症状の変化が見られます。

各ステージの発症期間は凡その目安ですが、一旦麻疹に罹患すると、回復までに時間を要することは明らかです。辛い症状を耐えなくてはならないと共に、社会生活上のロスタイムになりかねません。
 
1.3 予防と治療
現在、麻疹に特化した治療薬は無く、発現した症状に対する対症療法のみです。

一方で、有効な予防手段として、麻疹ワクチンまたはMR(麻疹・風疹混合)ワクチン接種の機会が提供されています。
 

2. 世界で流行中!麻疹マップ

2.1 流行地域
麻疹感染報告件数は、中東(イエメン、エチオピア)、中央アジア(キルギスタン、アフガニスタン)、南アジア(インド、パキスタン)、東南アジア(タイ、ベトナム)、東ヨーロッパ(ルーマニア)で多くなっています。

国内での感染例は、概ねベトナムを中心とした東南アジアからの帰国者で突出し、欧州からの帰国者にも散見されます。
 
2.2 渡航前後は要注意!
渡航先の感染症情報を確認の上、母子手帳などで予防接種歴を確認することが大切です。

麻疹・MRワクチンは、本来、感染を予防し得るに足りる十分な抗体価を得るために2回接種が必要です。

未接種、または、1回のみの接種で終了している場合は、医療機関でワクチン接種について確認してみることをお勧めします。

なお、ワクチン接種前に麻疹に罹患した経緯がある場合、自然抗体を既得しているため、基本的に再発の懸念はありませんが、罹患経緯が不明など不安な場合は、抗体検査について医師に相談してみるのも良いでしょう。
 

3. EUで流行する麻疹の動向

3.1 フランスの麻疹発生動向
欧州では、昨年、麻疹罹患率は1997年以来の最高値を記録し、本年に入ってからも罹患率は持続的に上昇を見せ、注意喚起されています。

フランスでは、本年3月1日から14日までの2週間で180の発症例が報告されており、2024年の同時期83症例に対し2倍の症例数であることも懸念されています。

特に顕著なのは、1歳から4歳の幼児21.1%、乳児14.4%、30歳代13.9%、40歳以上10.5%で、約半数にあたる82症例45.6%では入院を要する事態。

地域では、フランス北部 (le Nord) 地域で顕著に見られます。
 
3.2 発生要因
症例の約20%は7か国からの輸入例であり、最も顕著なのはモロッコからの輸入。その他、イタリア、スイス、ベトナム、フィリピン、英国が輸入国として挙げられています。

また、罹患者のワクチン接種状況については、70.5%が未接種または不完全接種であると報告されています。
 
3.3 予防対策
接種不完全を理由に、1980年代以降に誕生した成人を対象にMRワクチンの追加接種を推奨しています。また、17歳までの未成年者には2回接種を無料で接種できる機会を提供し、ワクチン接種を強化しています。
 

4. 日本の麻疹発生動向

4.1 過去の発生動向
過去の疾患となって陰に隠れていた麻疹。再浮上の兆しは、2007年から2008年にかけて、関西を中心としたエリアで発生しました。

流行の中心にいたのは、当時、高校生から大学生に該当する10代から20代の人たち。

予防接種の普及に伴い、麻疹に罹患する機会が減ったことと共に、自然抗体を獲得する機会も同時に減少。更に、ワクチン未接種やワクチン1回のみ接種など、不十分な対策により、罹患し易い環境になっていたと考えられています。

当時は、先進国の中にあって、ワクチン接種後進国であると揶揄される場面も見られました。
 
4.2 現在の発生動向
予防接種法に則り、定期接種として、第1期を1歳児、第2期を5歳から7歳未満で小学校就学前の1年間とする2回に亘る積極的勧奨が行われており、2015年時点で、日本は「麻疹が排除された国」としてWHOから認定され、過去の汚名は既に返上しています。

一方で、本年3月以降、麻疹の発生動向が見られ、罹患者のワクチン接種背景の内訳では未接種者が最も多く、年齢層は、20代が41%、30代が27%と約7割が20~30歳代に集中しています。

これらの年齢層の方たちの周りには、妊娠中や育児中の方々が多くいる点を見逃してはいけません。
 

5. まとめ

多くの感染症は、適切なワクチン接種や手洗いなどの衛生管理、感染経路を断つなど感染成立条件を攻略することで、今や、概ね予防が可能な疾患となっています。

一方で、私たちは、乳幼児や高齢者、免疫不全や治療中で易感染状態にあるなど、感染弱者となり得る方々とも生活空間を共にしていることも忘れてはなりません。

感染症対策は、適切な情報収集と行動で私たち自身の身を護る防衛策と共に、家族・地域・組織といった、みんなが集う場所にも感染源を持ち込まない思いやりの心を持って対処することが大切です。

【参考URL】
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/index.html

国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/

Santé publique France
https://www.santepubliquefrance.fr/

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