運動を定期的に行うことは健康に良い
ということは既に広く知られています。
一方、忙しい毎日の中で、
「運動をする時間なんてないよ…」
「運動苦手なんだよね」
「仕事で疲れているから、ゆっくり休みたい」
「運動」と聞いただけで、“できない”理由を3つくらいは即答できるのが現実ではないでしょうか?
でも、運動を定期的に行うことで、心筋梗塞、狭心症、糖尿病、脂質代謝異常症、がん等の生活習慣に関連する病気や、加齢に伴う運動機能や認知機能の低下を予防できる。逆に言えば、運動を取り入れないと、これらの病気を引き起こすリスクがあると聞いたら、どのように考えますか?
日常生活に上手く取り入れることができれば、恩恵の大きい「運動(エクササイズ)」
では、具体的にどのくらい実施すれば恩恵を受けられるのか、厚生労働省が示しているガイドラインをもとに見ていきましょう!
目次
2.メッツランキング
3.効果的なエクササイズか?は頻度・強度・時間で決まる!
4.無酸素運動と有酸素運動
5.まとめ
1.運動強度指標・メッツとは?
「定期的な運動ってどれくらいの頻度で行えば良いの?」
「10分でも良い?1時間以上継続してやらないとダメ?」
「同じ運動でも、ヨガを緩やかに行うのと、筋トレをするのでは、結果が違うのでは?」
「一向にメリハリのあるカラダにならないけど…。夏までに間に合わせたい!」
いざエクササイズに取り組もうと思っても、ふとした疑問や不安が湧いてきて、
「何から始めようか?」
「このまま続けていても変わらない?」
と立ち止まってしまうこともあるのではないでしょうか。
どれくらいの頻度で、どれくらいの時間、どれくらいの強度で行えば良いのか。ちょっとした疑問にお答えします!
エネルギーの消費量は、運動強度と体重の値に比例します。
体重は体重計に乗ることで測定できますが、運動強度はどのように測定するのでしょうか?
運動強度は、「きつい」「軽くできる」など感覚的に測定するだけではなく、メッツという運動強度の単位を用いて確認することができます。
メッツ(METs : metabolic equivalents)は、総エネルギー消費量を座位安静時代謝量で除した運動強度の指標で、数値が大きくなればなるほど、強度が高くなります。実際に、数値の大きい、すなわち、強度の高いエクササイズを実施してみると、汗ばむまでの時間や、「はぁ~はぁ~」と息が上がってくるまでの時間が早いことに気づきます。
厚生労働省から発出されたガイドライン「健康づくりのための身体活動基準2013」でも身体活動強度の単位として用いられています。
2.メッツランキング(生活活動・エクササイズ)
掃除、洗濯、子どもの世話など、毎日の「生活活動」や歩行、サイクリング、
水泳など各「エクササイズ」のメッツを見ていきましょう!
《生活活動》日常生活の中にもポジティブにエネルギーを発散できる場面はたくさんある!
1.8 | 立位(会話、電話、読書)、皿洗い |
2.0 | ゆっくりした歩行(53m/分未満、散歩または家の中)、料理の準備、こどもを抱えながら立つ、洗車・ワックスがけ |
2.2 | こどもと遊ぶ(座位、軽度) |
2.3 | ガーデニング、動物の世話、ピアノの演奏 |
2.5 | 植物への水やり、こどもの世話 |
2.8 | ゆったりした歩行(53m/分)、こども・動物と遊ぶ(立位・軽度) |
3.0 | 普通歩行(67m/分、犬を連れて)、電動アシスト自転車に乗る、家財道具の片づけ、こどもの世話(立位)、台所の手伝い、大工仕事、梱包、ギター演奏(立位) |
3.3 | カーペット掃き、フロア掃き、掃除機、配線工事、動作の伴うスポーツ観戦 |
3.5 | 歩行(平地で75~85m/分、散歩など)、楽に自転車に乗る(8.9km/時)、階段を下りる、軽い荷物運び、車の荷物の積み下ろし、荷造り、モップがけ、床磨き、風呂掃除、庭の草むしり、こどもと遊ぶ(軽く走る)、車椅子を押す、釣り、スクーター・オートバイの運転 |
4.0 | 自転車に乗る(≒16km/時未満、通勤)、階段を上がる(ゆっくり)、動物と遊ぶ(軽く走る程度)、高齢者・障がい者の介護、屋根の雪下ろし |
4.3 | やや早歩き(平地で93m/分)、苗木の植栽、農作業 |
4.5 | 耕作、家の修繕 |
5.0 | かなり早歩き(平地で107m/分)、動物を活発に遊ぶ |
5.5 | シャベルで土や泥をすくう |
5.8 | こどもと活発に遊ぶ、家具・家財道具の移動・運搬 |
6.0 | スコップで雪かきをする |
7.8 | 農作業 |
8.0 | 重い荷物の運搬 |
8.3 | 荷物を上の階へ運ぶ |
8.8 | 階段を速く上る |
《エクササイズ》多様なエクササイズの組み合わせが体力・ボディバランスを向上させる!
2.3 | ストレッチング |
2.5 | ヨガ、ビリヤード |
2.8 | ラジオ体操(座位) |
3.0 | ボウリング、バレーボール、社交ダンス、ピラティス、太極拳 |
3.5 | 自転車エルゴメーター(30~50ワット)、軽い筋力トレーニング、ホームエレベーター(軽~中等度)、ゴルフ(手引きカート利用)、カヌー |
3.8 | スポーツ・ダンス系ゲーム |
4.0 | 卓球、パワーヨガ、ラジオ体操第1 |
4.3 | やや早歩き(平地で93m/分)、ゴルフ(クラブを担いで運ぶ) |
4.5 | テニス(ダブルス)、水中歩行(中等度)、ラジオ体操第2 |
4.8 | ゆっくりとした背泳 |
5.0 | かなり早歩き(平地で107m/分)、野球、ソフトボール、サーフィン、バレエ(モダン、ジャズ) |
5.3 | ゆっくりとした平泳ぎ、スキー、アクアビクス |
5.5 | バドミントン |
6.0 | ゆっくりとしたジョギング、ウェイトトレーニング、バスケットボール、水泳(ゆっくり) |
6.5 | 登山(0~4.1kgの荷物を持って) |
6.8 | 自転車エルゴメーター(90~100ワット) |
7.0 | ジョギング、サッカー、スキー、スケート、ハンドボール |
7.3 | エアロビクス、テニス(シングルス)、登山(約4.5~9.0kgの荷物を持って) |
8.0 | サイクリング(約20km/時) |
8.3 | ランニング(134m/日)、水泳(クロール、普通の速さ46m/分未満) |
9.0 | ランニング(139m/分) |
9.8 | ランニング(161m/分) |
10.0 | クロール(速い69m/分) |
10.3 | 柔道、柔術、空手、キックボクシング、テコンドー |
11.0 | ランニング(188m/分)、自転車エルゴメーター(161~200ワット) |
表. 身体活動の種類とメッツ値「健康づくりのための身体活動基準2013」
3.効果的なエクササイズか?は頻度・強度・時間で決まる!
【注目ポイント!頻度・強度・時間】エネルギー消費量(kcal)=メッツ×時(h)×体重(kg)
年齢区分 | 身体活動(生活活動+エクササイズ) | エクササイズ |
18~64歳 | 23メッツ・時/週
(3メッツ以上の強度の身体活動を毎日60分) | 4メッツ・時/週
(3メッツ以上の強度の運動を毎週60分) |
65歳以上 | 10メッツ・時/週
(強度を問わず、毎日40分) | - |
現在の生活行動から食事・運動で毎日マイナス233kcalを達成できれば、毎月1kg減を達成!
【100kcal目安の食品】
ロールパン1個 バナナ1本 牛乳コップ1杯 ご飯軽盛り1/2膳
4.有酸素運動と無酸素運動
≪有酸素運動≫
有酸素運動は、ジョギングやサイクリング、水泳、ヨガ、エアロビクス等、長時間持続可能な運動を指します。
筋肉を収縮させるエネルギーを作り出す際に、グリコーゲン(糖質)と脂質と共に酸素も必要となることから有酸素運動と呼ばれています。
長時間運動するためには、グリコーゲン(糖質)だけでは十分ではないため、脂肪を分解してエネルギーに変換します。
この工程で酸素が大量に使われます。
脂肪を分解するため、高血圧、糖尿病、脂質異常症等の生活習慣病の予防、シェイプアップが期待できる運動です。
≪無酸素運動・レジスタンス運動≫
酸素を利用せず筋肉を収縮させるエネルギーを作り出す運動を無酸素運動と呼びます。
運動強度が高く、エネルギー産生に脂質をほとんど利用せず、心臓への負荷も高いという側面がある一方、年齢を問わず、筋肉量の維持・増強を促すという嬉しい効果もあります。
無酸素運動には、相撲などの競技や、レジスタンス運動(筋肉トレーニング)と呼ばれるダンベル、バーベル、マシンを使って行う運動等があります。
5.まとめ
カラダを動かさないよりは動かしたほうが良いに決まっている。
でも、どうせなら、“効き目のある”エクササイズを取り入れたほうがお得!
“今のわたし”にあったコンディショニング方法は必ず見つかります!
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