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ワークライフバランスの魁!心と体の循環を促すピラティスメソッド

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ワークライフバランスの魁!心と体の循環を促すピラティスメソッド

ピラティスと聞くと、多くの方がマットピラティスを思い浮かべるのではないでしょうか。

それ以前に「ピラティスとヨガの違いは何?」と思っていらっしゃった方にとっては、「マットピラティス??」と更なる疑問の深みに入ってしまわれたかもしれません。

ピラティスには、専用機器を用いないで行う、ヨガのようなスタイルのマットピラティスと専用機器を用いて行うマシーンピラティスがあります。

最近では、マシーンピラティス専門スタジオも開設されていますが、まだ少数派。

とあるフランス出身のビジネスパーソンでありマシーンピラティスの実践者によると「マットピラティスはピラティスではない」と断言。その真相のほどはいかに?

ピラティスの起源から、ピラティスメソッド、ピラティスの効果、マットピラティスとマシーンピラティスの違いまで、ライフスタイルに取り入れたいエクササイズの有力候補の1つであるピラティスについて見ていきましょう。
 

目次


1. ピラティスの歴史
1.1 黎明期(マン島)
1.2 萌芽期(ニューヨーク)
1.3 開花期(ニューヨーク)
1.4 成熟期(ニューヨーク・サンフランシスコ)
2. 実践の原理原則と重大要素
2.1 実践に役立つ6つの原理原則
2.2 ライフスタイルの5大要素
3. ピラティスの5大効果
4. マットとマシーンピラティス
4.1 マットとマシーンピラティスの違い
4.2 こんな人におススメ
4.2.1 マットピラティス
4.2.2 マシーンピラティス
5. まとめ

 
 
1. ピラティスの歴史

1.1 黎明期(マン島)
ピラティスは、ドイツ人ジョセフ・ピラティス(1883-1967)によって創設されました。

第一次世界大戦のさなか、イギリスとアイルランドの間にあるマン島で看護助手として多くの負傷兵のリハビリを担当していたピラティス。

マン島で過ごした4年間でピラティスメソッドの原型は生まれました。
 
1.2 萌芽期(ニューヨーク)
1926年、彼は妻であるクララと共に米国・ニューヨークへ移住。小さなスタジオでピラティスメソッドを教え始めました。

創設者ピラティスが開発した複数の専用機器(アパレイタス)を使い少人数グループで行うレフォーマークラスと共にマットピラティスクラスも開設。
 
1.3 開花期(ニューヨーク)
1930年代後半、ダンサーのメッカとなっていたニューヨークで、ピラティスは負傷した多くのダンサーの受け入れ、リハビリテーションやトレーニングを提供。一躍名を馳せることに。

1934年には、処女作となる「Your Health」を上梓。

メソッドの指導と共に、アパレイタス開発に大きな情熱を捧げ続けました。

創設者ピラティスの傍らで、中核メンバーを始め、多くの教え子たちも講師として成長し、ピラティスメソッドの伝道を開始。
 
1.4 成熟期(ニューヨーク・サンフランシスコ)
ピラティス自身は、1950年代に、医療施設や医学教育でメソッドを展開することに注力。

1967年、83歳で生涯を閉じたジョセフ・ピラティス。

その後も、妻クララは、1970年に引退するまで、現場で指導に当たりました。

1983年、米国・サンフランシスコにある聖フランシスコ病院の整形外科医長であるジェームス・ガーリックによって、臨床現場では初のダンス療法としてピラティスメソッドは導入されることに。

ピラティスが医療分野でも、現行の薬物療法や食事療法だけではなく、エビデンスに基づいた運動療法の1つとして、日常診療の中で、処方の選択肢に加えられる日も遠くないのではないでしょうか。
 

2. 実践の原理原則と重大要素

2.1 実践に役立つ6つの原理原則
ピラティスの効果を最大限に享受するためには、正しいメソッドを習得し実践することが重要です。

正しいメソッドで実践するために大切な6つの原理原則とは、

1.正しく呼吸する
2.体に意識を集中する
3.心と体をコントロールする
4.中心軸を意識する
5.動きの精度を上げる
6.途切れない動きの流れ

これら6つの原理原則を集約すると、ピラティスの特長とは、体の中心軸である「コアの筋群」に焦点を当ててトレーニングを行うことです。

コアの筋群とは、脊柱の安定を支える深層筋群を指し、体感部の深層筋群とは、腰部多裂筋、横隔膜、骨盤底筋群を指します。

次章では、ピラティスに特長的な「コアの筋群」に焦点を当てたトレーニングによる主な効果について具体的に見ていきます。
 
2.2 ライフスタイルの5大要素
創始者であるピラティスは、ピラティスメソッドのみならず、ボディ・マインド・スピリットの統合、すなわちコントロロジー(contrology)を実現するために、プラクティスと共に、以下の5つの要素が重要であると説いています。

1. 新鮮な空気(呼吸)
2. 清潔であること
3. バランス
4. 睡眠
5. プラクティスの継続

「バランス」とは、身体のバランスのみならず、休息・仕事・遊びのバランスを充実させること。

今でいう「ワークライフバランス」の先駆けともなる思想と言えるのではないでしょうか。
 

3. ピラティスの5大効果
創始者ジョセフ・ピラティスは、ピラティスの神髄と効果について、以下のように定義しました。

10回のセッションで心に変化が現れ、20回のセッションでボディラインに変化が現れ、30回のセッションで完全に新しい体に生まれ変わる

ピラティスとは、ボディ・マインド・スピリットの統合であり、マットのみならず、複数の専用機器を使うメソッドである」

ジョセフ・ピラティスは、創始者であると共に真の実践者。ピラティスの効果を多くの人に伝えたいという熱い思いが詰まった名言の数々。「体験したい」という欲求に掻き立てられます。

実際に、どのような効果があるのでしょうか。

正しいメソッドで実践した結果得られるピラティスの効果として、以下の5つが挙げられます。

1)強く、バランスのとれた、しなやかな身体をつくる。

2)呼吸機能を高め、血液循環を整える。

3)姿勢の改善、内臓機能を高める。

4)骨格の健康を維持する。

5)代謝機能を高め、熟眠感を促進する。

前章の「ピラティスプラクティス6つの原理原則」で確認したように、体の中心軸である脊柱を支える深層筋群、すなわち、身体を鍛錬することで、呼吸を整え、体内に取り込まれた酸素を全身に送り出し、循環を促すことで、血液循環と共に、呼吸を整えることで起こる波及効果として、精神面の安定にも繋がります。

結果として、美しい姿勢やボディラインを手に入れ、体の歪みを正し、腰痛・肩こり・冷えやすい体、メンタル不調を改善します。

創始者ピラティスは、体の変化とこれらの効果について「血液がシャワーのように流れ出す」と表現しました。

「健康維持増進、回復に最適なエクササイズの1つであることは確実」であると言っても過言ではないでしょう。
 

4. マットとマシーンピラティス

4.1 マットとマシーンピラティスの違い
おうち時間の活用など、ピラティス専用機器を用いず、床上でピラティスの動きを実践する方法がマットピラティス。

場所を選ばず気軽に実施できる反面、機器の補助が無いため、正しく動けているかの判断が難しく、通常は経験者向きの実践方法です。

一方のマシーンピラティスとは、創始者ピラティス氏が考案した専用機器を用いて、正しいピラティスの動きを習得する方法。

いつの間にか身についてしまった体の使い方の癖を機器による補助を活用し、本来あるべき状態に戻します。
 
4.2 こんな人におススメ
マットとマシーンピラティスは、各々どのようなタイプの人に適しているのか、具体的に見てみましょう。

4.2.1 マットピラティス
・マシーンピラティス経験者
・リラクゼーション目的
・場所を選ばず自宅でも実施したい
・マシーンピラティスの学びを復習したい

4.2.2 マシーンピラティス
・ピラティス未経験および経験者
・基本的なフォームを身につけたい
・ジムやヘルスセンターで利用可能
・マットピラティスのインストラクター

激しいトレーニングでは無い、一見緩やかに見えるピラティスの効果は、心にも体にも強い影響を与えます。

創始者が「血液がシャワーのように流れ出す」と表現したピラティスを体験し、エクササイズとして生活に取り入れ、いつまでも心身ともに健やかににお過ごしください。
 

5. まとめ
数あるトレーニングの中でも、身体レベル、健康レベル、年齢などの制限なく、誰でも取り組むことが可能、かつ、現代人が抱えている心身の愁訴から解放してくれるメソッドであるピラティス。

体幹部分を中心に鍛錬することで、知らず知らずのうちに、日常的なお悩みの1つでもある腰痛や肩こりからも解放され、メンタル不調からも脱することができるため、ライフスタイルの中に取り入れたいエクササイズの1つです。

特に、循環を促進することで冷えも解消する手立てとなり、骨盤底筋群を鍛錬することで、特に産後から高齢期にかけて気になる症状の1つでもある尿失禁を予防することも可能であるなど、女性の心身にとって、メリットが大きいピラティス。

「エクササイズとして何を取り入れたら良いかな?」と迷っていらっしゃる方は、ピラティスから始めてみるのも名案ではないでしょうか。
 
【参考URL】
PMA (Pilates Method Alliance)
https://www.pilatesmethodalliance.org/

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グローバルでクリエイティブな環境、伝統文化、洗練された都市景観とカントリーサイド、読書とアート、世界の建築と庭園、お料理と和の食材を中心にグローカルな食材をこよなく愛する運営者wanobi(医療・保健の国家資格保有)が、女性・こども・家族のココロとカラダにとって大切な情報をお伝えします。日・仏・英3か国語で対応可能

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