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【前編】女性のカラダにも優しい!日本人は大豆と米からできている!?

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【前編】女性のカラダにも優しい!日本人は大豆と米からできている!?

醤油、味噌、納豆、きな粉、油揚げ、豆腐、豆乳、枝豆…。数えればキリがない。私たちの食卓には、主食からデザート、果てはおつまみまで、大豆製品で溢れています。

同様にお米も、主食の代表格であると共に、油脂や菓子類など様々に加工され、私たちの生活に無くてはならない存在。

日本の食文化の代表的な食材である大豆と米は、女性の健康を機能的にサポートしてくれる心強いパートナーでもあります。

美味しいだけではなく、理想的な食材。

なぜ、「理想的」と言えるのでしょうか?

目次


1. 大豆と米の歴史と地理
1.1 大豆の歴史と地理
1.2 米の歴史と地理
2. 大豆と米の栄養学
2.1 大豆の栄養
2.1.1 タンパク質
2.1.2 脂質
2.1.3 炭水化物
2.1.4 ビタミン
2.2 米の栄養
2.2.1 炭水化物
2.2.2 タンパク質
2.2.3 脂質
2.2.4 ビタミン

 
今回は、前編「1. 大豆と米の歴史と地理」と「2. 大豆と米の栄養学」です。
※【前編】および【後編】通読ご希望の方は、【全編】をご覧いただくと便利です。
 

1. 大豆と米の歴史と地理
1.1 大豆の歴史と地理
紀元前の古より、日本や中国など、東アジアの限られた地域で栽培され、食されていた大豆。

大豆は、中国が原産国で、日本へ渡来した産物と考えられていましたが、最新の考古学的調査では、青森県の三内丸山など縄文時代の遺跡から日本原産の野生種の圧痕が発見され、中国から弥生時代に伝播される以前より食されていた事実が判明しました。

一方、欧米諸国へは時を隔てた18世紀以降に伝播されたという史実と相俟って、同世紀の江戸時代、日本では、続編が誕生する程の人気を博した料理本「豆腐百珍」なるベストセラーが上梓。大豆との生活密着度に、日欧米間で大きな差異が感じられます。

更に現代へ視点を移すと、大豆に対する趨勢は逆転し、2015年時点の2大生産国はアメリカとブラジルで日本は18位。ブラジルの現在の生産高は、日本からの技術協力と広大な国土の賜物。消費国としても日本は世界で10位の結果に。
 

1.2 米の歴史と地理
中国では、凡そ1万年前に始まったとされる稲作。米の原産地は、アッサム・雲南地域とされ、インド・東南アジア諸国、中国・日本など東アジア諸国へ伝播されたと言われています。

稲作の軌跡を残す6000年から7000年前の遺跡が長江中下流域から発見され、日本では、紀元前4000年頃の縄文時代前期の遺跡からその痕跡が判明。

古来より、稲作・米食文化がアジア諸国を中心に生活に根付いていた事実が垣間見られます。

現代へ視点を移しても全生産高の約9割はアジア諸国が占め、世界的に米生産高は増加傾向である一方で、日本国内では年々生産量が低下。1965年には中国に次ぐ、世界2位の生産高を誇った日本は、2015年時点でトップ10からもランク外の結果。広大な国土を有するアメリカとブラジルは、大豆同様、生産高は増加傾向にあります。
 

2. 大豆と米の栄養学
タンパク質・炭水化物(糖質・食物繊維)・脂質の3大栄養素とビタミンについて、大豆と米の栄養について見ていきましょう。

2.1 大豆の栄養
2.1.1 タンパク質
大豆構成成分の35%を占めるタンパク質。必須アミノ酸9種類すべてを含み、牛乳や鶏卵など動物性タンパク質と同等100点満点の栄養バランス。効率良く消化・吸収されるという特性と共に、タンパク質としての効率も良く、美しい髪や肌、筋肉など、「キレイなカラダ」を作り、かつ、動物性食材と比べて低カロリーである理想的な栄養素。
 

2.1.2 脂質
大豆構成成分の20%を占める脂質。その大半が中性脂肪であり、組成を支える脂肪酸の含有割合は、大豆(乾燥)で、総脂肪酸100gあたり多価不飽和脂肪酸のn-6系リノール酸が51.8g、n-3系α-リノレン酸が10.7g、多価不飽和脂肪酸のオレイン酸21.6gと不飽和脂肪酸が約85%を占める一方、飽和脂肪酸は約15%程度に留まります。
 

2.1.3 炭水化物(糖質・食物繊維)
大豆で特筆すべき炭水化物の構成要素は、糖質と食物繊維の配合バランス。糖質および難消化性成分として食物繊維に分類されるオリゴ糖などを含み、その他、水溶性・不溶性いずれの食物繊維をも含むため、プレバイオティクスとしての役割が期待できます。
 

2.1.4 ビタミン
主に、精白米を主食とする日本人に不足しがち、かつ、糖代謝に欠かせないビタミンB1と糖質(炭水化物)・脂質・タンパク質の3代栄養素の代謝をサポートするビタミンB群を多く含みます。きな粉は大豆製品の中で最も効率よく栄養素をカラダへ運ぶ食材。
 

2.2 米の栄養
2.2.1 炭水化物(糖質・食物繊維)
精白米で炊き上げたご飯の凡そ1/3を占める最大の栄養素。米の糖質は消化されやすく、血糖値も上昇しやすいという特徴があります。精白米のご飯では約0.3gと殆ど食物繊維を含有しない一方で、玄米では約1.4gを有し、その内1.2gは不溶性食物繊維であるという特性から、血糖値の上昇を緩やかにし、かつ、整腸作用も得られやすい特徴があります。
 

2.2.2 タンパク質
炭水化物に次いで多い栄養素。タンパク質含有量の増加に伴い、日本人好みの「粘り」を形成。小麦と比較した場合、必須アミノ酸が多く含まれ、栄養バランスに優れているという特徴があります。
 

2.2.3 脂質
中性脂肪がそのほとんどを占める脂質。脂肪酸の内訳は、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸の順で含有量が多く、全脂肪酸中の約90%以上を占めています。
 

2.2.4 ビタミン
ビタミンE、B1、B2、パントテン酸などが多く含まれる一方で、ビタミン類は、糠層と胚芽に多く含まれるため、精白米と玄米では含有量に大きな違いがあります。ビタミン類も効果的に摂取したい場合は、玄米や胚芽米を利用することをお勧めします。

 
【参考文献】
「大豆の科学」日刊工業新聞社
 五日市哲雄・久保田博南 著
「大豆の機能と科学」朝倉書店
 小野伴忠 他編
「米の科学」朝倉書店
 髙野克己 他編

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wanobi

医療・保健の国家資格を有し、医学系学会で学びを深め、グローバルでクリエイティブな環境、読書とアート、世界の建築と庭園、お料理とグローカル食材をこよなく愛する運営者wanobiが、これまでに培った知識と経験、学びのアップデートを基に、女性・こども・家族のココロとカラダにとって大切な情報をお伝えします。日・仏・英3か国語で運営

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