私たちの生活(生命)に欠かすことができない酸素と水。
大人のカラダの約60%も占める体液。
私たちのカラダを形作る水分は、食事や飲水・代謝から得られる量と、発汗や排泄を通してカラダの外に放出される量が過不足なく一定に保たれています。
違和感を感じること無く、動き回ることができるのは、この水分バランスが維持されているからに他なりません。
一年の中で最も多くの水分がカラダの外へ排出される夏。カラダの異変を感じやすくなる季節の到来です。
カラダの水分バランスが必要以上に低下することで発症する脱水症状を背景とした熱中症。
毎年、梅雨明けの7月下旬から8月にかけて、熱中症で搬送される人の数が後を絶ちません。
報道でよく耳にする搬送例では、子どもや高齢者が多く見聞されますが、実際には、熱中症は誰にでも起こり得ること。
水分補給や直射日光を避けることだけが熱中症の対策ではありません。
本格的な暑さが到来する前にできる効果的な予防ストラテジーとは?
目次
1. 熱中症とは?
2. 熱中症が発生しやすい環境とカラダ
2.1 環境
2.2 年齢層
2.3 体型
2.4 男女差(性差)
3. 暑熱耐性を高めるライフスタイル
4. 紫外線対策と屋外アクティビティ
5. まとめ
1. 熱中症とは?
体液に含まれる水分とナトリウムやミネラルで構成されている電解質が一定量以上、カラダの外へ多く放出された時に起こる脱水症状。高温・多湿な環境下で、体温調節機能が上手く作動せず、熱放散が妨げられることで起こる発熱状態。
これらの身体的な条件と高温多湿な環境が重なることで発症する熱中症。
症状の重症度により、意識は清明なものの、めまいや大量の発汗、こむら返り、頭痛や吐き気、38度以下の発熱などの軽症状が見られるⅠ度。40度程度の発熱、集中力や判断力の低下の中等度の症状が見られるⅡ度。40度以上の発熱、意識障害や発汗停止が見られる、いわゆる熱射病と呼ばれるⅢ度に分類されています。
注意しなければいけないことは、初期段階では軽症と思われた症状も重症化の経過をたどることもある点。
熱中症予防と共に、初期対応が大切です。
2. 熱中症が発生しやすい環境とカラダ
熱中症は、発汗などによる体液量の減少とカラダの熱放散がうまく機能しない状況が重なり、発症しやすくなります。
では実際に、どのような環境下で、どのような年齢層や体格のひとに起こりやすいのでしょうか?具体的に見ていきましょう。
2.1 環境
カラダの熱放散が妨げられる環境として第一に挙げられるのは、高温多湿であること。
「蒸し蒸して暑苦しい…」「じめじめして息苦しい…」
まさに、日本の夏を代表する暑さの特徴が熱中症を招きやすい環境でもあるのです。
高温多湿であることと共に、アスファルトで舗装された地面やビルなどの建造物からの輻射熱による照り返しも暑熱を増加させる要因。
2.2 年齢層
誰にでも起こりえる熱中症。一方で、最も発症リスクが高いのは、乳幼児と高齢者です。
子どもは、カラダに占める体液量が約70~80%と大人に比べて多い一方で、カラダの外へ放出される水分量も多いこと。更に、水分量の出入量を調節する腎機能が未発達な段階であることが主な要因。小さなカラダは、地面からの輻射熱をダイレクトに受けやすいという現実も。
ご高齢の方では、カラダに占める体液量が約50%程度と低下傾向にあること、喉の渇きや暑さを感じ難くなっていること、飲食量の低下が主な要因です。暑さを感じ難いことと共に、節電を試みながら、暑さを避けるために自宅に籠る習慣も原因の1つ。
2.3 体型
脂肪は、皮膚からの熱放散を妨げ、体内に熱を滞留いやすい環境を作り、カラダの水分量低下の原因となります。やせ型に対し、オーバーウェイト型では、より発症しやすい傾向に。
2.4 男女差(性差)
体内の体液分布割合は筋肉で多く、脂肪で低下するため、筋肉量の多い男性に比べ、女性のカラダは熱中症を発症しやすいカラダの特徴を有していると考えられています。
炎天下に於ける重労働で搬送される事例も多いため、熱中症は男性に多いイメージもありますが、子どもやご高齢の方たちと共に、私たち女性も自分のカラダへの心配りも大切です。
3. 暑熱耐性を高めるライフスタイル
梅雨明けの夏本番を迎える7月下旬ころから8月にかけて熱中症搬送件数が高まる背景には、高温多湿である環境と共に、基礎体力の不足、カラダが暑さに慣れていない、夏バテによる食欲低下、熱帯夜による睡眠不足など、日ごろのライフスタイルが大きな影響を与えています。
では、夏本番を爽やかに迎えるための効果抜群なストラテジーとは?
1) 基礎体力を高めるフィジカルアクティビティの実践
2) 屋外でのアクティビティも取り入れ暑熱耐性を身につける
3) 朝・昼・晩と3食バランスの良い食事から水分を摂取する
4) 7時間程度を目安に睡眠時間を確保する
5) 休日と平日の起床時間を2時間以上など大きく変更しない
6) コーヒーやお茶など利尿作用が強い飲料以外で定期的な水分補給
※糖分を含む飲料は控えめに…。
※経口補水液は、飲水が可能な熱中症症状が見られる方に有効です。
食事・運動・睡眠の3大ライフスタイルを良好に保つことが最大のポイント。
4. 紫外線対策と屋外アクティビティ
基礎体力の向上と暑熱順化を促すフィジカルアクティビティの実践には、新緑の季節が最も適しています。
目に優しく、香り豊かな緑。
一方で、灼熱の太陽光が降り注ぐ7,8月の暑さ本番を迎える前にも、忘れてはならないのが紫外線対策!
4月から9月にかけては、晴天下だけではなく、曇りでも紫外線が私たちのお肌を刺激しています。
日光浴は、体内でのビタミンD生成を促し、ボーンヘルスに役立つ一方で、過剰な紫外線は光老化を誘引し、お肌のエイジングを加速させる要因にも。
理想的には、2~3時間程度の間隔でSPF30程度のサンスクリーンを塗布しケアすることが屋外アクティビティを楽しむためのポイントの1つ。
紫外線は目のエイジングも加速させる要因。UV対策効果があるサングラスを用いることは、ファッション性だけではなく、目の保護の観点からも、実は、大切です。
5. まとめ
日本の夏に特徴的な高温多湿の環境。
子どもやご高齢の方は、カラダの仕組みにより、熱中症が発症しやすい傾向にあるため、細やかな水分補給を促す心配りが大切です。
水撒きや風鈴の音で涼を得るなど生活の中で培われた風流な対策と共に、カラダの仕組みに合わせたストラテジーも、暑さを凌ぎ、熱中症や夏バテを予防する効果的な方法の1つです。
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