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日本と世界の宝!和食のクオリティに暗雲もたらす気候変動とは?

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日本と世界の宝!和食のクオリティに暗雲もたらす気候変動とは?

2023年、私たちの食卓に並ぶ料理の数々。食欲を誘う芳しい香り。カラダに良い野菜をふんだんに使った色とりどりの自信作ばかり。子どもたちも好き嫌いなく何でもよく食べ、家族の笑顔も増えて嬉しい。

2035年、昔と比べて野菜や大豆の栄養価も香りも落ちている。値段も高騰。海洋の変化で海藻類のクオリティにも変化。手作りの品数は減る一方。かつてのように、ニュートリシャスに食べることはもう叶わない。

毎日の暮らしの中に忍び寄る“手軽で便利な”工業製品化の影。

ココロにもカラダにも栄養を与え、生活の豊かさを守るために今できることとは?

目次

1. 気候変動とは?
2. ニュートリシャスな食事に与える影響
3. 健康に与える影響
4. 京都議定書とパリ協定
5. まとめ

1. 気候変動とは?
時は1770年代。繊維産業界で、蒸気機関を用いた機械工業を世界に先駆け導入し、商品の大量生産化にいち早く着手したイギリスで黎明期を迎えた産業革命。

生産スピードを各段に上げ、均一な品質の商品を享受できるようになった一方で、産業革命以降、急上昇し続ける地球の気温。

地球の気温は、なぜ上昇し続けているのでしょうか?

その主な要因は、産業界で使用される化石燃料、石炭・石油・天然ガスの燃焼と、森林伐採や集約農業であると言われています。

化石燃料を燃焼させることで、炭素が発生。

炭素は酸素と結合し、二酸化炭素(CO2)として生まれ変わります。CO2は地上に熱を閉じ込める働きを担い、温室効果として作用。

メタンやフッ素ガスなど、炭素が含まれる気体は、CO2同様、温室効果ガスと呼ばれています。

車の移動でガソリンを使うなど、日常生活の中で、私たちが大量に化石燃料を燃やし続けているため、CO2濃度は上昇する一方。

元来、大気中のCO2は、植物と海洋により吸収され濃度を下げる健康的な地球のリズムを刻んでいました。今や、そのキャパシティーは限界の時を迎えています。産業革命以降、地球のリズムは大きな変更を余儀なくされ、発熱状態が続いている異常かつ緊急事態。

近年、世界各地で、異常気象や自然災害が多発している所以です。

日本では、「地球温暖化」と表現されている気候変動。

世界では、「温暖化」と悠長に構えている事態ではないと、一様に、「Climate Change」と表現し、国を超えた地球規模での徹底したアクションを要請しています。

2. ニュートリシャスな食事に与える影響
四季折々、緑豊かな森林と海に囲まれて育つ旬の食材。「和食」という豊かな食文化のベースとなっています。

気候変動の要因でもある森林伐採による放牧地開拓、市街地化。加えて、農薬の使用による生物多様性を育む土壌への侵害。土壌の劣化が招く気候変動。その結果として、食物の栄養価の低下と収穫量の減少といった悪循環のスパイラルを加速させます。

私たちの日常生活行動から排出されるCO2。その約1/3を回収し放出する循環器として大きな役割を担う海。海面水温が上昇することで吸収力が低下し、CO2が増えすぎることで海水は酸性度が高くなり、海で育まれる生態系は破壊される結果に。

和食の代表的食材、米、大豆、多種多様な野菜と果物、魚介類、海藻類。これらの収穫高と栄養価の低下が危ぶまれると共に、地球変動により、海洋に囲まれた緑豊かな国土への浸食、居住可能地域の制限も懸念されます。

3. 健康に与える影響
大気中のCO2が増加することで、食物中の炭水化物や果糖は増加し、亜鉛や鉄などの必須ミネラルが減少すると言われています。今までと同様の食材を摂っていても、糖尿病や貧血のリスクが増大する可能性も。

大気汚染の約40%は化石燃料の燃焼によるもの。化石燃料を使い続けることで、長期間に亘る喫煙を主な原因として発症する不可逆的な肺の病気COPD(慢性閉塞性肺疾患)や肺炎など呼吸器疾患も増加。

温室効果を原因とし、連日の真夏日による熱中症への罹患、洪水に伴う感染症、下痢を始めとした消化器症状の増加も懸念されます。

地球は今、手軽で便利なライフスタイルがもたらした負の側面の影響により、発症前段階から発症ステージへ急速に駆け上がっています。私たちのライフスタイルと社会的システムが地球環境と調和することで、今ならまだ、改善の見込みが残されている予防可能な段階。

4. 京都議定書とパリ協定
1992年、危機迫る気候変動に対して、世界が一丸となって批准した国連気候変動枠組条約。批准国は197か国に上り、温室効果ガスの排出削減を誓約。

その中でも、気候変動枠組条約の2大協定と呼び声高い京都議定書とパリ協定。

1997年、京都議定書採択。温室効果ガス排出量の制限を明確化した目標値を設定。

2015年、パリ協定採択。地球の気温上昇を、産業革命前と比較し、平均上昇気温2.0℃未満に抑制することを明言。同時に、産業革命以前の水準である1.5℃まで抑制することを努力義務として推奨。締約国に対し、5年毎の進捗報告が課されました。

現在では、2.0℃未満でも地球環境の悪化は免れないとして、国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)によって設立された「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は1.5℃抑制を推進しています。

気候変動枠組条約批准国により、毎年会議が催され、直近は、2022年にエジプトで開催されたCOP27。

目標値に沿ったアクションを起こすために残されたタイムリミットは凡そ10年といわれる気候変動。

日本は、京都議定書の議長国として重要なポジションを担っている一方で、「THE CARBON ALMANAC気候変動パーフェクト・ガイド」が発表した国別CO2排出量では、以下の結果に。

【国別累積炭素排出量(1960~2018年)】※Gt(ギガトン)
1位 米国 279.25 Gt
2位 中国 204.69 Gt
3位 ロシア連邦 131.28 Gt
4位 日本 56.19 Gt
5位 インド 45.68 Gt

【国別炭素排出量(2018年)】
1位 中国 10.31 Gt
2位 米国 4.98 Gt
3位 インド 2.43 Gt
4位 ロシア連邦 1.61 Gt
5位 日本 1.11 Gt

日本は、CO2排出量上位国としてランクイン。国別市民1人当たりの炭素排出量(2018年)では22位にランクイン。ひとりひとりはサスティナブルなライフスタイルに取り組んでいるようにも感じられますが…。

これに対し、パリ協定議長国であったフランスは、1960年から2018年の累積炭素排出量ランキングでは9位、2018年単年の排出量ランキングでは19位、市民1人当たりの炭素排出量はランク外の結果を残しています。

米国エネルギー効率経済協会(ACEEE)が発表した「2021年度版エネルギー効率に優れた自動車12選」には、トヨタ、ホンダ、日産という、世界に名立たる自動車メーカーの販売車から、トヨタ・プリウスPHV(プラグインハイブリッド電気自動車)、日産・リーフ(電気自動車)、ホンダ・クラリティ(プラグインハイブリッド電気自動車)に代表される6車種がランクインしている反面、全体としては、残念な結果に。

5. まとめ
建築資材は世界の炭素排出量の23%を占め、主に、コンクリート、鉄、アルミニウムの使用がその原因と言われています。

東京2020オリンピック・パラリンピック(2021年開催)のメインスタジアムとなった国立競技場の設計を手掛け、世界的な建築家として名を馳せる隈研吾氏は、建造物の要所要所にCO2を吸収する木材を使用し、禅寺や日本庭園を彷彿とさせる洗練されたデザインの中に木の温もりと芳香を感じさせる空間設計を表現し、世界を魅了。

AEAJ日本アロマ環境協会が運営し、2023年2月に一般公開されたGREEN TERRACEも隈研吾建築都市設計事務所が手掛けています。隈氏が建築家を目指すきっかけとなった丹下健三氏設計の国立代々木競技場が眼前に広がる好立地に鎮座。建造物から漂うヒノキの芳香は癒しと寛ぎのひと時を与えてくれます。来館者には、四季に合わせたオリジナルブレンドのハーブティも提供されており、オススメのスポット。(要予約)

木材の利用は、同時に植林を行うことで、CO2削減に有効に働くと言われています。

多文化を楽しみながら、同時に、日本の伝統技法や工芸品をライフスタイルに取り入れることは、木や自然の温もりを間近に感じ、ココロも満たされる結果に繋がります。

自然が作り出した生物多様性を数百年で破壊することなく、恩恵を享受しながら、私たちの健康にも役立てられる生活を続けられることは、「幸せ」の1つです。

【参考図書】
「THE CARBON ALMANAC 気候変動パーフェクト・ガイド 世界40か国300人以上が作り上げた資料集」
編者 カーボン・アルマナック・ネットワーク 日本語版監修 平田仁子(Climate Integrate代表)

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医療・保健の国家資格を有し、医学系学会で学びを深め、グローバルでクリエイティブな環境、読書とアート、世界の建築と庭園、お料理とグローカル食材をこよなく愛する運営者wanobiが、これまでに培った知識と経験、学びのアップデートを基に、女性・こども・家族のココロとカラダにとって大切な情報をお伝えします。日・仏・英3か国語で運営

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