妊活と言えば、基礎体温(生理サイクル)チェックと葉酸が大切ということが暗黙の了解になりつつある昨今。産婦人科医も「妊活中の女性は積極的に葉酸を摂るべき」とサプリメントでの摂取を奨めるほど。
妊活中の女性はもとより、そうではなくとも、女性のカラダにとって大切なビタミンの葉酸。なぜ必要とされているのでしょうか?
葉酸と女性のカラダの関係について、さっそく確認してみましょう!
目次
2. 女性のカラダへの効果
3. ママとベビーに優しい葉酸
4. どのくらいの量が必要?
5. まとめ
1. 葉酸と貧血予防の関係
葉酸は、化学名プテロイルグルタミン酸、ビタミンB群の一種で水に溶けやすい性質を持つ水溶性ビタミン。ほうれん草の葉から発見されたことが葉酸の名前の由来ですが、ほうれん草以外の葉野菜にも多く含まれています。
葉酸は、同じくビタミンB群に属するビタミンB12と共に、血液成分である赤血球の合成に関わっているため、造血のビタミンとも呼ばれています。
貧血予防の栄養成分と言えば、直ぐに思い浮かぶのが鉄分。鉄は赤血球に含まれるヘモグロビンを構成成分。
ヘモグロビンは、酸素を全身にわたる細胞へ届ける役割を担っているため、鉄不足でヘモグロビン量が減少すると、頭痛やめまいなどの貧血症状が発生します。
鉄分は貧血予防の重要なパートナー。
一方で、鉄分は十分でも、ヘモグロビンを含む赤血球自体を作るパワーが衰えていれば、慢性的な貧血状態を生み出してしまいます。
赤血球を作る役割を担う葉酸とパートナーのビタミンB12もしっかり摂ることが、最も効果的な貧血予防対策に!
2. 女性のカラダへの効果
第1に貧血予防。
女性のカラダは、初めて生理を迎えた初経以降、毎月決まったサイクルで生理が訪れ、生理に伴い出血が起きます。また、大きなライフイベントでは、出産時の出血、妊娠・授乳時の機能維持と胎児への栄養補給など、赤血球は、女性のライフステージにとって必要不可欠な存在。
第2に血管と骨のエイジング対策。
血管のエイジングである動脈硬化や骨のエイジングである骨粗鬆症の状態を進行させる原因物質ホモシステインの代謝をサポート。
第3は胎児の健全な発育をプロテクト。
DNAの合成にも必要な葉酸。妊活の強力なサポーターとされる所以です。
3. ママとベビーに優しい葉酸
ママの貧血回避も、ベビーの健全な発育もサポートする葉酸は、パパと共に頼もしいパートナー。
実際は、出産後ではなく、妊娠の超早期2~6週間くらいまでに、十分な葉酸をカラダに取り込むことが大切です。
なぜなら、細胞分裂が活発な時期であり、将来、脳や脊髄になる神経管が完成する時期でもあるから。
この時期に葉酸の摂取量が不足していると、神経管閉鎖障害や口唇口蓋裂などの病気のリスクを高めてしまう原因に。
貧血予防にも血管と骨のエイジングにも役立つ葉酸。
日頃から、主食・主菜・副菜が揃ったバランスの良い食事を心がけ、妊活中・妊娠中は、加えて、サプリメントも活用することが貧血予防にも胎児の発育もスムーズに進めるためのポイントです。
4. どのくらいの量が必要?
葉酸の摂取推奨量(厚生労働省)は、妊娠期以外の通常時は1日240μgをベースに、妊娠の希望や妊娠・授乳中はカラダが求める必要量に合わせて、推奨量は100μgから400μg程度追加されます。
葉野菜に多く含まれることで有名ですが、具体的にどのような食材に多く含まれているのでしょうか?
食材名 | 用量 | 葉酸含有量 (μg) |
ほうれん草・小松菜 | 1株 | 39 |
ブロッコリー | 1/4株 | 84 |
キャベツ | 1枚 | 62 |
リーフレタス | 1枚 | 56 |
水菜 | 1枚 | 44 |
とうもろこし | 1本 | 143 |
ニラ | 1束 | 95 |
菜の花 | 1茎 | 68 |
マンゴー | 1個 | 218 |
ひよこ豆 | 1カップ | 154 |
枝豆 | 10鞘 | 48 |
納豆 | 1パック | 60 |
やはり、葉野菜に多く、豆類、果物にも多く含まれています。
ちなみに、葉酸のパートナー栄養成分のビタミンB12は、肉類や魚介類など動物性の食品にしか含まれていません。完全菜食主義のヴィーガンの方はビタミンB12が不足しますので、海苔などの海藻類やサプリメント等での補給も検討が必要です。
番外編で鶏レバー。なんと、1個50gあたり650μgもの葉酸含有量!
でも食べにくいかも…。ちょっとひと手間ですが、玉ねぎやセロリ・ニンニクなどの野菜、白ワインやブランデー、バターを入れてレバーペーストにすると臭みも消え、美味しいパンと共に量もしっかり摂れるかもしれません。
葉酸は、野菜350g・果物200g以上の1日あたりの摂取推奨量を目安に食べていると、基本的には不足しません。一方で、葉酸を摂る点で気をつけたいことは、水に溶けやすい性質の水溶性ビタミンであることと光に弱いこと。また、カラダへの吸収率は約50%程度と考えて摂取することがベスト。
だとすると、意外と保存方法と調理方法も考えながら食材を選ぶ必要がありますね…。
そこで、葉酸の必要量が増える妊活中や妊娠超早期に、食材からカラダへの吸収率が低い葉酸をしっかり摂るためには、サプリメントで補うことが効率的。ただし、上限量1日1000μgを超えないように注意が必要です。
5. まとめ
定期的なエクササイズとバランスの良い食事、睡眠がヘルシーライフを送る上で重要ですが、ライフステージや日頃のアクティビティによっては、必要とされる量も各々変化します。
「ママになりたい!」気持ちが芽生えた時の準備にも、年齢を重ねウェルエージングに進む過程でも、女性のカラダのサポーターである葉酸、ビタミンB12など、3大栄養素のタンパク質・脂質・炭水化物の代謝を支えるビタミン群にも目を向け、一緒においしく頂きたいところ。
少し手間はかかるかもしれませんが、これらの食材を揃えることで、食卓も華やぐこと間違いなしです!
本音では、ココロのウェルビーイングのためには、これらのクオリティを担保しつつ、同時に、手間のかからないアイディアも必要かもと思うことも…。