女性ホルモンと言えば代表格に挙げられるのがエストロゲン。
女性のライフステージ全般、そして、健康にも病気にも関わる重要な役割を担っています。
一方で、エストロゲン以外にも、妊娠・出産など女性の節目となるライフイベントや、女性に多い病気にも関わり、微妙なバランス感覚でホメオスタシス(恒常性の維持)という生命維持活動を担うホルモンがあります。
それが、本日ご紹介する甲状腺ホルモン。
日常的にあなたに起きている症状の原因が甲状腺ホルモンにあるかもしれません。
一体、どういうことでしょうか?
実際に、甲状腺ホルモンが担う役割と女性に多い病気との関連性を見てみましょう!
目次
2. どんな働き?甲状腺ホルモン
3. どんな病気?どんな症状?
3.1 バセドウ病
3.2 橋本病
3.3 その他の甲状腺の病気
4. 気づきのためのメソッド
5. まとめ
1. 甲状腺はカラダのどこにある?
喉仏の少し下くらい、首のほぼ中央部に、まるで蝶々が羽根を広げたような形で佇む甲状腺。
羽根のように左右に広がる部位の名称は、各々、右葉と左葉と呼ばれます。左右葉それぞれの大きさは、縦が約4~6cm、幅と厚さが約1.5cm、全体の重さが約15g程度の臓器です。
2. どんな働き?甲状腺ホルモン
臓器というと肝臓などのように1~2.5kgもある大きなイメージがありますが、甲状腺は小さな臓器。
容量は小さいのに、細胞の新陳代謝を活性化する働き、活動性を高める交感神経を優位にする働き、胎児や子どもの成長を促す働きなど、生命活動のベースとなる大きな役割とパワーを秘めた臓器なのです。
このように、数多くのパワフルな役割を担う甲状腺ですが、その最大の働きは、代謝をコントロールする甲状腺ホルモンを作ること。
甲状腺ホルモンは、活動の源となる代謝、謂わば、活動エネルギーをコントロールしており、ひとたびそのバランスが崩れ、分泌量が多くなり過ぎたり、少なくなり過ぎても、ココロとカラダにトラブルが発生します。
甲状腺ホルモン分泌過剰では、各臓器への働きかけがアクセル全開となるため、ココロもカラダも消耗しやすい状態に。甲状腺ホルモン分泌不足では、アクセルの踏み込みが足らず、活力低下の原因となります。
3. どんな病気?どんな症状?
甲状腺の病気と言われて咄嗟に思いつくのは?
バセドウ病や橋本病ではないでしょうか。
バセドウ病と橋本病。双方とも甲状腺ホルモンに関わる病気ですが、ホルモン分泌量が過剰なのか?不足しているのか?で病態に違いが現れます。では、その違いを見てみましょう。
3.1 バセドウ病
甲状腺ホルモン過剰型の代表的な病気がバセドウ病。
20~30歳の女性に多く見られる病気です。
カラダの症状では、首の腫れ、ドライアイや目の突出、視力低下など目の症状、多汗、高血圧、頻脈、手指のふるえ、下痢、体重減少が主に見られます。
ココロの症状では、イライラすることが増えたり、浮き沈みのある不安定な状態が出現しやすくなります。
3.2 橋本病
甲状腺ホルモン不足型の代表的な病気が橋本病。
30~60歳の女性に多く見られる病気です。成人女性の20~30人に1人は橋本病とも言われています。
カラダの症状では、首の腫れ、むくみ、体重増加、お肌の乾燥、冷え性、便秘、徐脈、生理出血量の増加、生理サイクル不順などの月経異常、こむらがえりなどの症状。
血液検査結果では、LDL(悪玉)コレステロール値が高くなる傾向も。
ココロの症状では、やる気の低下、いつでも眠い、物忘れの増加などの症状が出現しやすくなります。
橋本病に多く見られる症状は、冷え性やお肌の乾燥、生理の問題、むくみなど、日常的に起きる症状ばかり!だからこそ、見落とされがちになる傾向があるのかもしれません。
3.3 その他の甲状腺の病気
甲状腺ホルモンの分泌量が問題となる甲状腺の病気の他にも、甲状腺にしこりができる病気もあります。しこりは、超音波検査や細胞診など精密検査の結果、良性と悪性に分類されます。
主な良性の病気では甲状腺腺腫、悪性の病気では、甲状腺がんや甲状腺リンパ腫などが挙げられます。
4. 気づきのためのメソッド
鏡に映った自分、または、第三者から「首の腫れ」を指摘されることで気づくことが多い甲状腺の病気。
定期的に甲状腺を両手で触って確認してみるのも1つです。
でも、なかなか気づきにくい。自分で触れるのも不安かもしれません。
そこで、血液検査や超音波検査で調べてみるもが早く気付くためのポイントでもあります。
一方で、通常の健康診断では、甲状腺機能を調べるT4(サイロキシン)、T3(トリヨードサイロニン)TSH(恒甲状腺刺激ホルモン)を調べることは基本的にありません。
これらの検査は、主に、人間ドックとして提供されています。課題は、保険適用外で自費であること。
特徴的な症状がある場合は、甲状腺専門医を訪ねるのがベストです。
治療を開始するにあたっては、今後の治療方針を確認し、医師と相談しながら、納得のいく選択をすることをおすすめします。
5. まとめ
病気を早期に発見することは、治療しやすい段階のカラダの状態であることが多く、治癒へ向かいやすくなります。
治療後の治癒へのステップでも、ストレスを上手くコントロールできればベスト。ライフスタイルの基本、睡眠、エクササイズ、栄養、リラクゼーションも大切に!
一方で、特段問題の無かった状態から、ひとたび病気が発見されれば、人知れず不安を抱えることも。
well-beingは検査値で全く異常値が無く、病気の無い、super normalな健康状態のひとたちだけに向けた言葉ではなく、病気を持っていても、自分の生活や人生に対して、納得・満足・幸福感が得られている状態を示します。
今、super normalな健康状態のひとも、病気を抱えているひとも、何か不安を抱えているのであれば、独りで抱え込まず、声に出してみるのもwell-beingへの第一歩。
サポートしてくれる場所は1つではありません。
あなたが信頼できて、ほっとできる場所が一番です。
きっと、見つかります。あなたのココロがほっとできる場所。