11月14日は世界糖尿病デー(World Diabetes Day)
世界の糖尿病患者数は、約4億3300万人。成人の約8.5%に該当します。
日本における推計糖尿病患者数は約243万人(2017年厚生労働省患者調査)で、糖尿病疑いまで含めると、なんと、2412万人に!(2019年厚生労働省国民健康・栄養調査)
初期段階では、特に症状が無い糖尿病。一方で、病状が進行することにより、全身の血管を脆く劣化させてしまうリスクを高め、合併症を引き起こしてしまいます。
静かに忍び寄る糖尿病のリスクを「予防・治療することが大切」
ところで、新しいスイーツ店がオープンすると真っ先に話題にし、SNS等で拡散、いち早く店舗に足を運ぶのは男性より女性ですよね?
「ケーキ」「フルーツ」「チョコレート」「カフェラテ」など甘いものを好むのは女性に多い印象。
では、実際に、男性に比べて女性の方が甘い物に目がないのでしょうか?カラダの構造の違いによる理由があるのでしょうか?糖尿病はどのような病気?等など、かいつまんで見ていきましょう。
目次
2.「スイーツ好きは女性に多い」理由は?
3.糖質は悪者?
4.糖尿病をしなやかに回避するストラテジー
4.1【ストラテジー1】食事・間食
4.2【ストラテジー2】エクササイズ
4.3【ストラテジー3】睡眠
5.まとめ
1.糖尿病はどのような病気?
細胞のエネルギー源として重要なブドウ糖。血液中のブドウ糖を上手く細胞内に取り込むためには、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの介在が必要です。
インスリンが上手く分泌されない、または、インスリンは分泌されているのに細胞側が上手くキャッチできない。結果として、血液中の糖濃度が必要以上に高い状態が続き、血管を劣化させてしまいます。
この状態を糖尿病と言い、自己免疫の異常が原因の1型とライフスタイルに由来する2型糖尿病の2つのタイプがあります。
約9割はライフスタイルに基づく2型糖尿病。食事や運動などのライフスタイルを見直すことで、予防や改善への期待も膨らみます。
2.「スイーツ好きは女性に多い」理由は?
塩辛い物は男性、甘い物は女性が好むという一般的なイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか?
このギモンに答える以下のような研究結果があります。
「動物(ラット)を用いた研究で、メスはオスよりも糖分を好む傾向が見られた」
また、過去に行われた国民栄養調査によると、以下のような結果も。
「20代女性は肉類摂取が男性の約70%であるのに対し、菓子類は約180%」
性差における社会的背景や個人差があるとは言え、月経サイクルや妊娠・出産に伴って、甘党、辛党の変化が見られる女性。
これらの嗜好を操っているのが女性ホルモンのエストロゲンではないかと言われています。
インスリンの作用や分泌による不具合だけではなく、血液中の糖濃度が高い状態が続くことも糖尿病の発症リスク。
血液中の糖濃度が高いか正常かは、健康診断の検査項目である血糖値(空腹時または随時)を要チェック!HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という検査項目も確認することで、1~2か月前のライフスタイルがより色濃く反映されます。
3.糖質は悪者?
糖質は、炭水化物から食物繊維を除いたもの。
タンパク質、脂質と共に、活動するために必要なエネルギーを作り出す3大栄養素の1つです。
一時期、糖質オフダイエットが流行りましたが、糖質を過剰にカットすることで、代替エネルギー源として、筋肉のタンパク質が分解されるため、筋肉量が減少。
また、脳への栄養分が不足し、集中力が欠如するという不都合が発生してしまいます。
糖質は悪者ではなく、カラダにとって大切な栄養源ですが、脳の栄養源として、刺激と興奮を与え、依存的な関係性を築きやすくしてしまいます。
賢明なストラテジーを基に、わたしたちが上手くコントロールすることが大切です。
4.糖尿病をしなやかに回避するストラテジー
「糖尿病を回避しながら大好きなスイーツやフルーツも食べたい!」願いを叶える3大ストラテジーは食事・運動・睡眠の微調整。
4.1【ストラテジー1】食事・間食
炭水化物も糖質だから血糖値を上昇しやすくするのは事実ですが、食物繊維と一緒に摂ることで、血中の糖濃度が急激に上昇することを防ぐことができます。
フルーツに含まれる糖は、単糖類という分解・吸収が容易にできるタイプの糖類のため、一見、血糖値が急上昇しそうですが、食物繊維が適度なブレーキとなり、急上昇のカーブを防いでくれます。
一方で、日本酒やカクテルなどのアルコールや清涼飲料水は、食物繊維が取り除かれたリキッドのため、カラダに容易に吸収されてしまいます。結果として、血糖値が急上昇。
飲む量を抑えるか、ナチュラルミネラルウォーターやお茶など糖分を含まない飲料に変更することがベター。
主食は、白米や食パンから、食物繊維を多く含む雑穀米や全粒粉パンに替えてみるなど、いつものライフスタイルに変化をもたらすと効果的。
4.2【ストラテジー2】エクササイズ
血液中の糖を上手く細胞に取り込み、エネルギー源として活用するためには、インスリンのサポートが必要です。
インスリンを上手く作動させるために大切なのがエクササイズ。
毎日または隔日で行うウォーキング、サイクリング、スイミングなどの有酸素運動を20分以上。併せて、週2~3日程度はショルダープレスやレッグエクステンションなどのレジスタンストレーニングを組み合わせると最適です。
4.3【ストラテジー3】睡眠
睡眠時間が4時間を下回ると、代謝機能の低下と共にウェイトコントロールが困難となり、体重増加の一因に。体重増加によるオーバーウェイトは糖尿病のリスクを高めます。
十分な睡眠によって、脳内のハードタスクはリセットされ、ストレス状態を軽減します。
良好な睡眠環境を保ち、ポジティブな心持でストレスを抱え込まないことも最良の糖尿病リスク回避ストラテジーの1つ。
3大ストラテジーの他にも、タバコは、血糖値を下げにくくするためNG。ウェイトコントロールを行うことも大切です。
5.まとめ
ショーケースに並ぶ愛らしいスイーツを眺めているだけでもココロが弾みます。
時には、目とココロの栄養になりますが、甘い物の誘惑は強く、知らぬ間に、ついつい手が伸び、摂り過ぎていることも。
摂り過ぎか適量かはなかなか計り知れないため、定期的に血液検査を行ってみることをおススメします。
自宅で検査可能なキットや、薬局の店舗でも、指先からプチっと簡単に血糖値をチェックできるケースもありますので、要チェック!少なくとも4時間以上食事を摂っていない状態でチェックしてみましょう。
世界糖尿病デーの今日。
甘い物には目がないわたしも、日頃以上に、「適量を守って」「歯磨きもしっかり」と行動する1日にしたいと思います…。