カラダの状況に合わせてリズムと深さを調整しながら「吸って、吐いて」と毎日繰り返している呼吸。
わたしたちの生活を支える重要なカラダのしくみの1つ。
普段は「空気のような存在」で、「呼吸」について意識することはありません。
一方で、不安が募ると、過呼吸の状態(過換気症候群)になったり、呼吸が荒く乱れたり、変化が生じます。
身体活動だけではなく、ココロにも大きな影響を与える呼吸について、その仕組みとマインドを整えるためのメソッドについて見ていきましょう。
目次
2. 呼吸のしくみ
3. レスピレートリ―ヘルス
3.1 コロナ(Covid19)感染予防
3.2 美と呼吸と活性酸素
3.3 呼吸のリラクゼーション効果
4. 不安と憤りを取り除く呼吸メソッド
5. まとめ
1. マインドが変わる・整う呼吸
「仕事が思うように進まない」
「友達が約束をドタキャン」
「予期せぬマウンティング」
「夫が意味不明の小言を言っている」
「こどもが言うことを聞かない」
「見知らぬ人からの誹謗中傷」
日常の中で遭遇するマイナスの場面
「なんだか動悸がしてきた…。頭痛も…」
こんな経験はありませんか?
そんな時、怒りや不安にココロが囚われないように「ゆっくり息を吸って、ゆっくり息を吐いて」を繰り返してみる。
不思議とイライラしたキモチや不安な思いが遠のいていく感じがしませんか?
それは、呼吸活動が自律神経やストレスホルモン(副腎皮質刺激ホルモン放出因子)と連携して調節されているから。
ストレスによって生じた呼吸の変化を、意識的に呼吸を整えることで、ポジティブな状態へ戻してあげる。
いつもは“空気のような存在の呼吸”に変化が生じた時に、焦らないことが、怒りや不安にココロが囚われ続けないための第一歩です。
2. 呼吸のしくみ
呼吸は、息を吸ったり吐いたりを繰り返しながら、体内に酸素を取り込み、不要になった二酸化炭素を体外に排出する働きを担っています。
呼吸の働きを主に担う臓器が肺。
鼻または口から取り込んだ空気(酸素)は、喉を通過して気管に入り、左右に分かれた気管支から両肺へ到達します。
気管支の先端には、ブドウの房状に数億個連なった肺胞があり、ここで酸素と二酸化炭素の交換が行われます。
吸って吐いてを繰り返す呼吸は、横隔膜の上下運動と肺を取り囲む肋間筋の収縮弛緩により発生。
腹式呼吸は横隔膜の上下運動、胸式呼吸は肋間筋の収縮弛緩がその動きの中心を担います。
3. レスピレートリ―ヘルス
3.1 コロナ(Covid19)感染予防
主に、感染したヒトの唾液を体内に取り込むことで感染が成立する新型コロナウィルス感染症。これを飛沫感染と呼びます。
飛沫感染では、ウィルスなどの感染源を鼻腔や口腔・咽頭などの呼吸器系ルートで体内に取り込んでしまうことで感染しやすくなるため、ルートの遮断が必要。
そこで、鼻から口元をしっかりカバーするマスクの着用が求められています。
マスクを着用する際は、鼻と口元をしっかりカバーすることが完全な飛沫感染対策となりますが、もともと鼻腔粘膜など鼻の構造には、ホコリや花粉、細菌やウィルスなど外敵の侵入を防御するフィルター機能が備わっています。
一方の口呼吸では、異物がダイレクトに侵入しやすくなるため、口を大きく開けて息を吸い込むことは、日頃より注意したい行動の1つ。
3.2 美と呼吸と活性酸素
「呼吸により体内に酸素を取り込むことは健康にとって良い」
では、酸素を多く摂れば摂るほどカラダやココロにとって良い結果が生まれるのでしょうか?
答えはノー。
なぜなら、酸素を体内に多く摂りこみすぎると活性酸素が大量に発生するから。
「短期集中!筋肉女子」を目指し、負荷の高い運動を急激に始めたひとは要注意です。
活性酸素は美の大敵。強いストレスや喫煙でも発生する活性酸素。ビタミン類などの抗酸化物質で対抗しても勝算は高くありません。
3.3 呼吸のリラクゼーション効果
リラックスした状態で優位になる副交感神経。
副交感神経が優位になることで、腸の働きが活発になり、消化の促進やお通じの改善に繋がったり、血行が良くなったり、血圧が下がったり、活性酸素も少ない状態を維持してくれます。
副交感神経は、深く、ゆったりした呼吸を意識的に行うことで優位な状態へ。
また、脳波ではα波が増加し、心拍数の安定にも繋がります。
深く、ゆったりした呼吸は、リラクゼーション効果だけではなく、集中力も高めてくれるため、お仕事の合間にも、ちょっとした休憩として取り入れることもおすすめです。
4. 不安と憤りを取り除く呼吸メソッド
不安や怒りを取り除くためには、ゆっくり深い呼吸を意識的に行うことが大切です。
特に、吐く息(呼気)に意識を集中させることで脳神経にダイレクトに良い影響を与えます。
では、さっそく始めましょう!【不安と怒りを取り除く呼吸メソッド】
まずは、軽く息を吐いてから、7秒程度かけて息を鼻から吸い込みます。
続いて、口に細いストローをくわえたイメージで、口からゆったり息を吐きます。
息を吸い込んだ時間の2~3倍程度を目安に吐きだすと良いでしょう。
「呼吸の時間」に囚われず、吸う息(吸息)より吐く息(呼息)を長く、意識して行うだけで十分です!
1.軽く息を吐く。
2.鼻から息を吸い込む。(5秒程度)
3.息を止める。(約2秒)
4.口からゆったり細く長い息を吐く。(15秒程度)
5.息を止める。(約2秒)
6.2から5を5回程度繰り返す。(トータル約2分)
※徐々に、10回程度まで反復回数を増やしてみましょう。
5. まとめ
新型コロナウィルス感染症の重症化リスクや美の大敵活性酸素の原因となるタバコは、レスピレートリ―ヘルスで最も避けたいライフスタイルの1つ。
もしも、今現在、あなたがタバコを吸っているのなら、そのひと時を深くゆったりした呼吸を取り入れる時間に置き換えてみませんか?
今は、不安や怒りがないあなたも、いざ困難に遭遇した時、とっさに、ゆったりした行動は取り難くなるかもしれません。
日頃から、少しずつリラクゼーション効果が高い呼吸法を取り入れて、いざという時に活用してみませんか?