誰もが抱えているお悩みやストレス。
同じストレスでも、カラダやココロに及ぼす影響は男女間で違いがあります。
悩みやストレスからうつ病へ移行してしまう割合は、男性の約2倍も女性のほうが多い現実。
なぜ女性のほうがストレスの影響を受けやすいのでしょうか?
みんながストレスを抱えている背景は?
ストレスを受けている時、カラダはどのように反応しているのでしょうか?
原因を探りながら、しなやかに乗り越えるためのヒントを見つけましょう。
目次
2. 国民総ストレス社会
3. 女性とストレス
4. ストレスは乗り越えられる
5. まとめ
1. ストレスについて
ストレスは、カナダの生理学者ハンス・セリエ氏(1907-1982)によって提唱された学説に基づいた言葉。
ココロとカラダに外的・内的刺激が加わった状態を示します。
ストレッサーは、ストレスの原因となっているモノ・コトを指し示す言葉。
ストレッサーは千差万別。
とは言え、結婚・別離・転居などの大きなライフイベントや、私たちがおかれている仕事・家庭環境、人間関係、経済・健康状態のいずれかのカテゴリー中で発生しやすい傾向にあります。
“適度なストレスは人生のスパイス”と言われるものの、ストレッサーが大き過ぎたり、複数同時期に重なることで過剰なストレスが加わり、ココロとカラダを蝕んでしまう場合も。
そのような中でも、私たちのカラダは、ストレスに対抗するためにホルモンを分泌し、ストレスから私たちを守ろうと、必死に戦ってくれます。
2. 国民総ストレス社会
ストレス状態にあるひとは、2000年以降増加の一途をたどっています。
厚生労働省から示された「2019(令和元)年国民生活基礎調査」で明らかになった、私たち日本人が抱えるお悩みやストレッサー。
男女問わず、各年代のお悩みやストレスの背景が見えてきます。
「私だけではなく、みんなも、同じような悩みやストレスを抱えているのね」と思い、割り切れることができれば幸いですが…。
では、みなさんが抱えているお悩みやストレッサーは、一体何なのでしょうか?
設定された回答例は以下の21答
1)家族との人間関係
2)家族以外との人間関係
3)恋愛・性に関すること
4)結婚
5)離婚
6)いじめ・セクシャルハラスメント
7)生きがいに関すること
8)自由にできる時間がない
9)収入・家計・借金など
10)自分の病気や介護
11)家族の病気や介護
12)妊娠・出産
13)育児
14)家事
15)自分の学業・受験・進学
16)子供の教育
17)自分の仕事
18)家族の仕事
19)住まいや生活環境
20)その他
21)わからない
過半数越え、または、過半数に近いひとが、お悩みやストレスの原因として回答した項目はどれだと思いますか?
12歳から19歳では「自分の学業・受験・進学」
男性 | 63.8% |
女性 | 64.1% |
80歳以上では「自分の病気や介護」
男性 | 52.8% |
女性 | 56.6% |
男性の20歳から59歳、女性の20歳から49歳では「自分の仕事」
年齢区分(歳) | 男性 | 女性 |
20~29 | 57% | 55% |
30~39 | 68.4% | 46.5% |
40~49 | 67.5% | 43.8% |
50~59 | 60.5% | 38.5% |
ストレッサーは、年代別に違いが見られるものの、男女間で大きな違いは見られません。
全年齢区分で「お悩みやストレッサーである」と回答した上位3位の要因は以下の通り。
ストレッサー・悩み | 全体 | 男性 | 女性 |
自分の仕事 | 35.6% | 44.7% | 28.6% |
収入・家計・借金など | 26.2% | 26.7% | 25.8% |
自分の病気や介護 | 21% | 19.8% | 21.9% |
各表「2019(令和元)年国民生活基礎調査」を基に作成 ※回答方式は複数回答可 対象者は12歳以上
上位3位に至っては、男女間で違いは見られません。
上位4,5位で家族やその他の関係や病気・介護がお悩みとして挙げられており、女性は家族、男性は家族以外の関係にストレスを感じている傾向。
過剰なストレスは、胃など消化器の不調、不眠症、メンタル不調、生活習慣病、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、不整脈、甲状腺の異常など様々な病気の温床となります。
それにしても、仕事のストレス!何とかしたいですね。
3. 女性とストレス
ストレッサーには男女間で大きな違いが見られなかった一方で、うつ病へ移行してしまう傾向は、女性が男性の2倍!
これは一体なぜでしょうか?
社会的な背景から、女性は、ストレッサーを複数抱えやすい環境にあることも要因と考えられますが、女性特有のカラダの仕組みも影響を与えています。
その1つが女性ホルモンのエストロゲン分泌量。
女性がうつ症状を発症しやすい時期は、産後や更年期。そして、月経(生理)開始前3日から10日前。
エストロゲン分泌量が低下している時期と重なります。
この時期に社会的ストレス要因が加わることで、うつ症状がより発症しやすいカラダの状態へ。ストレスが過剰になることで、更にエストロゲン分泌を抑制する負のスパイラルを生み出します。
また、ストレス反応に対する脳機能も男女間で違いがあり、女性では、慢性的なストレス状態で感情が疲弊するにつれ、情動を司る脳の部位である海馬が委縮し、不安なココロの状態を招きやすくなると言われています。
4. ストレスは乗り越えられる
女性はストレスの影響を受けやすい…。
でも大丈夫!
ここまで、「どうしてストレスの影響を受けやすいのか?」について見てきました。そこに乗り越えるためのヒントが隠されています。
適度に対処するためのポイントは、月経サイクル、メノポーズ、エストロゲンの記事にも書いてある通り、食事・エクササイズ・睡眠・余暇などを中心にライフサイクルをいかにマネジメントするか、そして、必要に応じて、医療機関などの専門家を頼ることができるかに集約されます。
そして、脳の海馬がストレスで委縮してしまう事態への対処法は、脳の海馬にダイレクトに届く、アロマの芳香効果を取り入れることが助けとなることでしょう。
ストレスは乗り越えられます!
5. まとめ
毎日の生活の中で、仕事もプライベートも精一杯にがんばっていると、「どうしてよりによってこんなにも悪いことが重なるの?」「何か悪いことしたかな?」「不安で眠れない」「みんなわたしをどう思っているのだろう?」「必要とされていないのかな?」と不安になることもあります。
お悩みやストレッサーとして多くの方が挙げていた仕事。
ストレッサーに気を取られていると、ココロが押しつぶされてしまいます。
ココロが押しつぶされ始めると、カラダが思うように動かなくなります。
その結果、仕事のパフォーマンスは上がらず、人間関係が上手く行かなくなり、同僚や上司、ご主人から良い評価が得られず、疎外感や自己嫌悪も感じやすくなり、悪循環が生まれます。
何も思い浮かばない、ココロが押しつぶされそうな時は、目の前にある自分のカラダを労わることだけに集中すれば良いのです。
そして、「今が最悪の時で、これ以上悪くなることはない。この代償として大きなチャンスが巡ってくるはず!」とおまじないのようにココロの中で唱えてみましょう。
イメージすることが大切です。
本当にそのような光があなたに差し込みます。
一方で、神頼みで待っているだけでは、光が差し込むまでの時間が延び、その間に疲弊してしまいます。
自分自身でできるところから、ライフスタイルを整えることで、光が差し込むまでの時間は短縮されます。
一人で辛い時は、一緒に前に進みましょう。
きっと乗り越えられます。