「何だかいつもよりも眠い」「体が重い」
この感覚から、「もうすぐ生理がくるかも」と気づかされることはないでしょうか?
生理(月経)サイクルに伴って眠気の強度にも変化が生じます。
生理サイクルは、なぜ、睡眠の状態に影響を与えるのでしょうか?
日常生活に変化をもたらすカラダの仕組み。その仕組みと対処方法を見ていきましょう!
目次
2.月経(生理)サイクルと睡眠の関係
3.レム睡眠とノンレム睡眠
4.眠気とどのように向き合う?
5.まとめ
1.月経サイクルについて
月経サイクルは、凡そ28日周期。中間点の14日目あたりに排卵が起こります。
月経(生理)が始まる初潮の平均は凡そ11歳。開始当初は毎月やって来るサイクルもまだ不安定。
ライフステージが進み、思春期も終盤の18歳を迎える頃には、月経サイクルも整い、卵巣機能に特に問題が無く、強いストレスも受ける状況下では無かった場合、凡そ1か月のサイクルで次の生理がやってきます。
この月経サイクルにスタートの合図を出すのが、卵胞刺激ホルモン。卵胞刺激ホルモンからの合図で卵胞は成熟し始め、この成長に伴って女性ホルモンの代表格エストロゲンの分泌量が増加します。
そして、エストロゲンのパートナーとして月経サイクルを円滑に回しているのが、プロゲステロン。
エストロゲンの分泌量は、排卵に向けて徐々に多くなり、排卵直前が分泌のピーク。排卵時に一旦低下し、月経が始まると最も少なくなるという曲線を描きます。
一方のプロゲステロンは、排卵後の月経サイクル後半に分泌量が上昇し、エストロゲン分泌量を上回ります。
このように、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量の変化に伴い、月経サイクル内で低温期と高温期を形成する体温の二相性が生まれます。
基礎体温を測ることで、ホルモン分泌が正常に機能しているか、月経サイクルに問題は無いかを簡易に調べることが可能です。
基礎体温をチェックしてみましょう!チェックポイントは以下の2点。
1.月経サイクル前半は高温期に比べて0.3~0.5℃程度低い低温期、後半は逆に、低温期に比べて体温が高い高温期の2相性が保たれているか?
2.周期は25日から38日の範囲内であるか?
気になる点があれば、婦人科の先生にも相談してみましょう。
※日常会話では「生理」と呼ばれていますが、医学用語としては月経(げっけい)が用いられています。
2. 月経サイクルと睡眠の関係
凡そ25時間の生体活動サイクルを司るサーカディアンリズム。
目覚め、食事、活動、眠りを脳や各部臓器の神経細胞内にある時計遺伝子が調整役を担っています。
睡眠にもサイクルがあり、約8時間の睡眠中には、入眠直後に現れるノンレム睡眠と目覚めに近づくにつれ発現時間が長くなるレム睡眠が4~5回交互に訪れることで、眠りの深さや目覚めへと導きます。
月経サイクルの中で睡眠サイクルに変化が現れるのは、レム睡眠。月経サイクル後半の高温期(月経開始前)にレム睡眠の出現量が減ると言われています。
一方で、同じく、月経サイクル後半の高温期(黄体期)の昼間帯(9時から16時30分)には、ノンレム睡眠の段階で最も深い眠りの状態にある徐波睡眠が多く出現します。
月経開始前の日中に眠気が強くなる所以の1つと考えられています。
3.レム睡眠とノンレム睡眠
睡眠と言えば、よく耳にするレム睡眠とノンレム睡眠。一体どのような状態を示しているのでしょうか?
レム睡眠は、Rapid Eye Movement Sleep(REM)、ノンレム睡眠は、Non Rapid Eye Movement Sleep(NonREM)の略称です。
睡眠中に急速な眼球の動きがある状態か否かを表現する言葉。
毎日の睡眠中に、この2つの睡眠段階が概ね90分のサイクルで交互に訪れます。
ノンレム睡眠では、3つの段階があり、最も深い眠りはこのノンレム睡眠中に出現。
ノンレム睡眠は、成長ホルモン分泌を促す働き、学習と記憶の固定化に関与しています。
一方の覚醒へ誘う段階にも出現するレム睡眠では、外部環境への注意機能が働き、物音に反応し睡眠途中ですんなりと目が覚めた場合は、ちょうどレム睡眠の時間帯であったのでしょう。
また、この時間帯では、カラダの筋緊張は低下している一方、覚醒に近い状態でもあるため、いわゆる、「金縛り体験」もここで発生します。
4.眠気とどのように向き合う?
月経開始前後に多く見られる傾眠傾向(いつもよりも眠気が強く、集中力欠く状態)と睡眠途中の覚醒。
基礎体温を測っていれば、月経に伴う眠気や睡眠中断だと判断がつき、対処しやすくなります。
この時期は、いつもにも増して、睡眠ケアを充実させてあげるのがポイント。
・肩こり解消、リラックスを目的としたヨガ
・就寝1, 2時間前のデジタルデトックス
・湯けむりと一緒に香りを楽しみながらアロマバスでゆったり入浴
・カモミールティやリンデンティを飲んでリラックス
・眠りのスペースを芳香空間に
・デスクワークなら手を止めて軽くフィットネス
・ミントティや緑茶、コーヒーでブレイクタイム
・ペパーミントやローズマリー、グレープフルーツなどのアロマスプレーでリフレッシュ
・15分から20分程度仮眠をとる
あとは、「月経サイクルに伴うものだから、仕方ないよね」と割り切りましょう。ココロが晴れます!
5.まとめ
カラダの仕組みやサイクルを知ることで、悩んでいたことも解決できる糸口の1つになります。
自分のカラダと向き合い、実践してみて、「何だか楽しい」「合うかも」と思う方法を試しながら、少しずつでも生活の中に取り入れてみると、「あれ?変わったかも」という気づきが生まれます。
あなたの「これいいかも!」に出会えますように!