なかなか収束しない新型コロナウィルス感染症。
完璧に対策をしているつもりでも、その時の体調や、感染への抵抗力が低下した状態で生活していた方々にとっては、意図せず感染してしまう場合もあります。
でも、日頃からライフスタイルに気を配り、予防的な行動を取ることで、ウィルス感染の多くは防ぐことができるのも事実。
新型コロナウィルス感染症だけではなく、その他のウィルス感染をいかに防ぐことができるのでしょうか?
女性にとっては、子宮頸がん発症の引き金となるヒトパピローマウイルスへの対策も重要です。
20代でも増えている子宮頸がんとはどのような病気なのでしょうか?
実は、誰でも子宮頸がんになるリスクを抱えています。
今回は、リスクを回避する方法や早い段階で気づき、対策を打つためのストラテジーをお伝えします。
目次
2.子宮頸がんとは?
2.1 どのような病気?
2.2 子宮頸がんリスクファクターと年齢
3.ヒトパピローマウイルス(HPV)とは?
4.子宮頸がん予防ストラテジー
4.1 検診でチェック!
4.2 ワクチン接種
4.3 婦人科のかかりつけ医を持つ
5. まとめ
1.感染症からカラダを守るには?
2年前の新型コロナウィルス感染症発生以来、目に見えないウィルスによる感染の広がりを目の当たりにして、会話やくしゃみをした際に飛散するウィルス飛沫への感染対策は、少なくとも1メートル程度、できれば2メートルは対人間隔を空けることが必要だと気づかされました。
今では、フェイスシールドを用いたり、座席の間隔を空ける対策が標準的に行わています。
このように、感染症を有効に防ぐには、いくつかの重要チェックポイントがあります。
感染症対策は、以下の3つのポイントが大切。
2.主な感染ルートを知る(侵略ルートは?)
3.セルフケアとプロフェッショナルケアの活用(防護具は?)
新型コロナウィルス感染症を例に3つの大切な対策ポイントを振り返りましょう。
2.会話やくしゃみ・咳などを介した飛沫感染と飛沫に触れた手でドアノブ等の器具を使い、更に、その手で口や鼻、目などに触れる接触感染
3.セルフ&プロフェッショナルケア
《セルフケア》マスクの着用、ハンドソープを用いた手洗い
《プロフェッショナルケア》ワクチン接種
私たち多くの日本人は、かねてより、予防的なセルフケアを丁寧に行ってきた経験があり、欧米諸国のように爆発的な感染を防ぐ手助けとなったと言えます。
今冬のインフルエンザに罹った人数が大幅に減ったことも、コロナに対する予防行動が功を奏したのでしょう。
続けたい習慣ですね。
このように、感染症は、どのように感染するのか?を知ることで予防策を練ることが可能です。
2.子宮頸がんとは?
2.1 どのような病気?
生命を育む部位でもある子宮。その入り口付近の子宮頸部に発生する悪性の腫瘍が子宮頸がんです。
おりものの変化などで「何か変?」と気づく場合もありますが、早期の段階では、特に症状はありません。
進行することで、大腸など周囲の臓器にも腫瘍が広がり、出血などの症状を呈してきます。
子宮がんと一括りにして表記されることもありますが、子宮がんには、子宮頸がんと子宮体がんがあり、リスクとなる要因も発症ピークの年齢も異なります。
子宮がんとだけ明記されている場合、子宮頸がんを指しているケースが主です。
子宮体がんの発症ピークは、50歳代、特に閉経後ですが、40歳未満の若年層にも起きるため、主な症状である月経周期以外の不正出血がある場合は、一度婦人科を受診してみると良いでしょう。
2.2 子宮頸がんリスクファクターと年齢
主に性交渉を介してヒトパピローマウイルス(HPV)に感染し、その感染が持続・進展すること。その他にも、妊娠・出産回数が多いこともリスク要因の一つです。
発症の年齢は、30代中頃から40代前半にかけてピーク。
3.ヒトパピローマウイルス(HPV)とは?
子宮頸がんの原因はヒトパピローマウイルス(Human Papilloma Virus)。略してHPV。
胃がんの原因としてはヘリコバクターピロリ菌が有名です。ヘリコバクターピロリ菌感染による胃がん関与リスクは約80%に対し、ヒトパピローマウイルスの子宮頸がんへの関与はほぼ100%。
ヒトパピローマウイルスへの感染。そのほとんどがセクシャルデビュー後、つまり、性交渉を介して感染します。
では、セクシャルデビュー後には、皆さんが子宮頸がんになるのでしょうか?答えはノー。
ヒトパピローマウイルスへは、私たちが持つ免疫力と自浄作用により感染が持続することは少ないのです。
一方で、数年から10年程度かけて、持続した感染がじわりじわりとがんへ進展することもあります。
4.子宮頸がん予防ストラテジー
4.1 検診でチェック!
最強のストラテジーは、子宮頸がんが発症する過程とリスクファクターの中に、そのヒントが隠されています。
それは、ヒトパピローマウイルスに感染しているかどうか?そして、持続的に感染しているか?どのくらい悪化(進展)しているか?を調べることです。
それには、地区町村や職場で行われている子宮頸がん検診を受けることが有効!
20歳以降は、検診でチェックする習慣がスタンダード。
デリケートゾーンを見てもらうのは気が引けると後回しにされる方もいますが、定期的に早い段階で兆候を見つけて対策を打つことが最善の結果を生みます。
なお、自分で調べるタイプの検査(自己採取)もありますが、特に、細胞診検査は、自分で行うことで、適切に検査物(標本)を採取することが難しく、正しい判断がしにくいため、厚生労働省も推奨していません。
上述の通り、標本採取が難しい細胞診検査を補う検査として、10年程前より、日本でも、ヒトパピローマウイルスに感染しているか否かを判定するHPV検査との併用も健診機関では行われてきました。一方で、費用の面から、多くは実施されておらず、細胞診で要精密検査に該当後、コルポスコピー検査(膣拡大鏡)の前段階としてHPV検査を導入するケースが多いのではないでしょうか。
そして、数年前より、自己採取型HPV検査も登場しました。
自己採取型の細胞診検査と比較し不正標本が少ないと言われるHPV検査ですが、検査キットは、取扱い企業が限られており、かつ、有用性も一定ではありません。1~2年に一度は医療のプロに任せるほうが安心で信頼できる結果が得られます。
4.2 ワクチン接種
子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルスは100種類以上確認されていますが、その中でも、子宮頸がんの発症、特に、日本人に多く関与が確認されているのは、主に、16型と18型のタイプのものです。
感染を予防する目的で、HPVワクチン接種が行われており、接種が浸透しているオーストラリア等欧米諸国では、予防と言えば、ワクチン接種とHPV感染チェック検査の2本立て対策が取られています。
WHOも9歳以上の女児に対して、HPVワクチン接種を推奨しています。
4.3 婦人科のかかりつけ医を持つ
病気には性差があり、婦人科は専門性が高いため、近くのお医者さんとは別に、婦人科のかかりつけ医を持つことをお勧めします。
5.まとめ
予防をしていても、予測した通りに全てが完璧には進むことは多くはありません。一方で、最善を尽くすことで、多くの良い結果が得られるのも事実。
ちょっとデリケートな部分だけに、定期的に診てもらうことにためらうキモチがあるのもすごく良くわかります。
でも、ためらう原因となる要素を解決する方策はきっと見つかります。
ポジティブな結果を生みやすいプランをたて、予期せぬ最悪の事態を招かないように、定期的にチェックしてみませんか?