「夫のいびきがひどくって、寝室は別!」「隣の部屋からも聞こえてくる...」「あれ?急に静かになった」
お嘆きのあなた!もしかすると、ご主人、SASかもしれません...。
「いつものこと」と思って見過ごしている習慣。実はそれ、危険が迫っているサインかも。
いびきの原因はSAS?SASとは何か?それによって何が起きるのか?どういうタイプに起こりやすい?改善するには?病院へ受診すべき?
全てにお答えします!
目次
2. どんなひとがなりやすい?
3. セルフチェックとおすすめサイト
3.1 無呼吸ラボ
3.2 睡眠時無呼吸なおそう.com
4. ライフスタイル改善ポイント
5. まとめ
1. SAS(サス)とは?
Sleep Apnea Syndrome 略してSAS(サス)。
日本語では睡眠時無呼吸症候群と呼ばれ、2003(平成15)年2月に発生した、山陽新幹線運転手(当時33歳)による居眠り運転事故のニュースで広く知れ渡ることとなった症候群。
肥満を抱えている方に多い閉塞性のSASは、就寝時、カラダを横たえた際に、空気の通り道である上気道が狭くなって上手く呼吸ができず、酸素をカラダに取り込み難くなっている状態。
特徴的な症状は、
・睡眠中に複数回10秒以上呼吸が止まる
・就寝後に複数回トイレに行く
・就寝後に目が覚める
・起床時に頭痛がある
・日中強い眠気に襲われる
・集中力の低下を感じる
SASがあることで、交通事故が約3倍程度増加するという報告があり、仕事のパフォーマンス低下にもつながる可能性も。また、高血圧・糖尿病発症、増悪リスクが高まり、これらに付随し、脳梗塞、心筋梗塞などの危険も迫ってきます。
2. どんなひとがなりやすい?
SASは、就寝時、カラダを横たえた際に、酸素の通り道である気道が狭くなっている状態で発生しやすいとお伝えしました。
この状態にあるひと、起きやすいカラダの特徴は...
・妊娠中および産後
・BMI25以上の肥満傾向(BMI28以上では顕著)
・生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)で治療中
・健康診断の結果、血圧、血糖値、脂質代謝異常で経過観察に該当
・過去に脳卒中や心筋梗塞を罹ったことがある
・鼻づまりがある
・顎が小さい
※BMI=Body Mass Index 日本語では体格指数と呼ばれ、体重kg÷身長m÷身長mで算出。
ex.体重80kg 身長175cm BMI=80÷1.75÷1.75=26.1
加えて、飲酒習慣があるひとは要注意!
3. セルフチェックとおすすめサイト
SASのセルフチェック法として有名なのは、8問から成るEpworth Sleeping Scale(ESS)エプワース眠気尺度。
主に、昼間帯の眠気について、どんな時に眠くなるかを自覚症状に基づき回答してもらう質問票。あくまでも主観的な評価であるため、正確にSASのリスクを判断することは難しく、現に、新幹線の運転手のケースでは、ESSで特に問題なしとされていたと言われています。
SASリスクが高い身体的特徴のあるパートナーであれば、無呼吸ラボの簡単セルフチェックで調べてみるのが便利!
3.1 無呼吸ラボ
《提供元》株式会社フィリップスジャパン
本拠地はオランダにあるグローバル企業。人々の健康の向上にテクノロジーで貢献するヘルステック分野のリーディングカンパニー。企業向けSAS検診や睡眠に関するポピュレーションアプローチのサービスも提供しており、人事部の方は必見!
なお、簡単セルフチェックの結果、医療機関受診が必要との判定だった場合、「お近くの病院を探す」で簡易検査を実施している医療機関を探し、受診することをお勧めします。
3.2 睡眠時無呼吸なおそう.com
《提供元》帝人株式会社
1918 年に日本初のレーヨンメーカーとして発足し、現在は「マテリアル」「ヘルスケア」「IT」という3つの異なる領域で事業を展開。
フィリップスジャパン同様、企業向けSAS検診や睡眠指導資格を有する社員を擁しており、スリープコーチング等サービス提供中。
こちらのサイトも医療機関検索が非常にわかりやすくまとめられており、便利!
過去の記事でお伝えしておりますが、現状として、睡眠障害などに関して、的確に診断できる専門医が少ないため、2社の医療機関検索を利用することが良医を見つけるための近道です!
4. ライフスタイル改善ポイント
治療が必要か否かに関わらず、以下のライフスタイルは睡眠の質にも影響を与えるため改善が必要です。
・オーバーウェイト
睡眠時間が4時間未満では、肥満になり易い傾向があります。食事・運動・睡眠を整え、ウェイトコントロールを!
・アルコール
いびきの原因になると共に、中途覚醒が起きやすくなります。寝酒はNG。オーバーウェイトの原因にもなりますので、減酒を!
・喫煙
のどに慢性的な炎症を起こし、上気道粘膜が浮腫みやすくなります。また、交感神経を優位にし、眠りの質が低下しますので、卒煙を!
・眠りの姿勢
いびきがある時には、仰向けではなく、横向きででることで症状が緩和されます。また、枕の高さが高すぎないか?チェックし、必要の応じて、枕を新調を!
最も重要な改善ポイントはウェイトコントロールです。飲酒習慣がある方は、飲酒量を減らせば、結果として、減量しやすくなります。
5. まとめ
今回は、主に、SASの大多数を占める、肥満傾向の男性を中心にお伝えしました。
一方で、ホルモン分泌量の変化や、それに伴う体重増加により、閉経後の女性、また、年齢的には若くても、やせ型、小顔で顎が小さい女性にもSASは少なからず発生しますので、注意が必要です。
そして、お子さんのいびきにも目を向けてあげる必要があります。
何かと、気に留めることが多くて大変ですが、比較的、女性のほうが、広く周囲を見渡し、調整する能力が高いと感じています。
周りもサポートしながら、ウェルビーイングにお過ごし頂けると幸いです。